暑中見舞いを出す時期はいつからいつまで?基本マナーや残暑見舞いとの違いもご紹介

公開日:2023年7月26日
更新日:2023年10月2日

暑さの厳しい時期に、相手の健康を気遣う言葉や、自身の近況報告を添えて送る暑中見舞い。そして、暦の上で秋を迎えてから送る残暑見舞い。

暑中見舞いや残暑見舞いは、SNSが普及した今も大切にしたい、古くから続く日本の慣習です。しかし、「いつ出すの?」「どうやって書くの?」と戸惑う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この記事では、暑中見舞いの基本マナーや書き方、暑中見舞いと残暑見舞いの違いについてご紹介します。

暑中見舞いを出す時期はいつからいつまで?基本マナーや残暑見舞いとの違いもご紹介

暑中見舞いを出す時期は?

暑中見舞いは、7月7日ごろから8月7日ごろまでに出しましょう。ただし、梅雨が明けてから出すことが望ましいです。

本来「暑中」とは、二十四節気の「小暑」から「立秋の前日」までの時期を指します。2023年の場合、7月7日から8月7日までが「暑中」の期間にあたります。

ただ、7月7日ごろはまだ梅雨が明けていないことが多いもの。暑中見舞いは暑さの厳しい時期に相手の様子を伺う挨拶状ですので、梅雨が明けて夏らしい季節になってから出すことが一般的になりました。

ご注意いただきたいのは、梅雨明けの判断基準。相手のお住まいの地域が梅雨明けしているかどうかにより判断する必要があります。特に遠方の方に暑中見舞いを出す場合は、事前にその地域の梅雨明け情報を確認しましょう。

暑中見舞いの基本マナー

今年は暑中見舞いを出してみようと思い立ったものの、「実は暑中見舞いを出すのが初めて」「暑中見舞いのルールをよく知らない」という方もいるのではないでしょうか?
まずは暑中見舞いの基本マナーについてご紹介します。

どうして暑中見舞いを出すの?

暑中見舞いは、普段なかなか会えない方やお世話になっている方など、あなたの大切な方に送る夏の挨拶状です。相手の健康を気遣うとともに、暑さの厳しい時期をどうか無事に過ごしてほしいという願いを込めて送ります。

暑中見舞いは相手に感謝の気持ちを伝えるために送るものですので、あまりかしこまる必要はありません。ぜひ楽しんで書いてください。季節感のあるイラストや写真を入れたり、こちらの近況報告を添えたりすれば、相手にも気持ちが伝わるでしょう。

暑中見舞いの由来

暑中見舞いの起源は、江戸時代までさかのぼります。もともとは、お盆に里帰りする際、祖先へのお供えの品を持参するという慣習でした。その後、お世話になっている方に贈答品を贈る慣習へと変化していきました。これが暑中見舞いの由来です。

明治時代になると、郵便制度の発達とともに贈答の慣習が次第に簡素化されました。大正時代には、夏の挨拶状として手紙やはがきを送る、現在のようなスタイルが定着したと言われています。

暑中見舞いと残暑見舞いの違い

暑中見舞いと残暑見舞いでは、挨拶状を出す時期が異なります。

前述の通り、暑中見舞いを出すのは「小暑」から「立秋の前日」までの期間です。2023年の場合、7月7日から8月7日までが暑中見舞いの時期になります。ただし、梅雨が明けてから出すことが望ましいため、梅雨明けの状況に注意しましょう。

それに対して残暑見舞いの時期は、立秋(2023年は8月8日)から8月末ごろまでです。残暑見舞いについては、のちほど詳しく説明します。

どちらを送ればよいか迷う場合は、相手に届く時期を確認してください。立秋の前日までに届かないようであれば、残暑見舞いを送るようにしましょう。

暑中見舞いとお中元の違い

暑中見舞いははがきや手紙を送るもの、お中元は品物を贈るもの、というイメージを持たれている方が多いのではないでしょうか。実は暑中見舞いとお中元では、相手に届ける時期も異なります。

お中元は、中国で「中元(旧暦の7月15日)」に行われていた仏教の年中行事に由来します。日本に「中元」が伝来すると、同時期に広まったお盆の行事と結びつき、お盆の時期に贈答品を贈る慣習になりました。

お中元を贈る時期は地域によって異なりますが、最近では7月中旬までに贈るのが一般的です。

暑中見舞いをいただいたときは?

暑中見舞いをいただいた場合は、礼儀として自分からも挨拶状を送りましょう。これは残暑見舞いをいただいた場合も同様です。特に目上の方からいただいた場合には、必ずお返事を出してください。

お返事を出す際には、相手に届く時期をよく確認する必要があります。暑中見舞いに対するお返事であっても、相手に届くのが立秋(2023年の場合は8月8日)よりも後になるのであれば、残暑見舞いへと切り替えて出しましょう。

喪中の相手に暑中見舞いを出してもよい?

暑中見舞いは、相手の健康を気遣って送る夏の挨拶状ですので、喪中の相手に出しても失礼にはあたりません。また、自分が喪中の場合に暑中見舞いを出すことも、特に問題ないとされています。

ただし、喪中の相手に暑中見舞いを出すときは、相手の心情に十分配慮したいもの。四十九日をすぎてから届くように出す、シンプルなデザインを選ぶ、お悔やみの言葉を添えるなど、相手のお気持ちに寄り添うことが望ましいでしょう。

暑中見舞いの書き方と例文

ここでは、暑中見舞いの書き方のポイント、暑中見舞いの基本的な構成について詳しく説明します。それらを踏まえて、暑中見舞いにはどのような文章がふさわしいか、ケースごとに例文をご紹介します。

暑中見舞いの書き方のポイント

暑中見舞いを書くときに、あまりかしこまる必要はありません。相手のことを思いながら楽しんで書くことが大切です。

夏らしいイラストの書かれたデザインを選んだり、夏の思い出の写真を使ったりするのも、あなたらしさが伝わってよいでしょう。暑中見舞いに季節感を取り入れることで、さらに印象がよくなります。

ただし、暑中見舞いは基本的な構成が決められています。その構成に沿って、暑中見舞いを書きましょう。また、暑中見舞いは本来、相手の健康を気遣って送る夏の挨拶状です。相手の体調を気遣うひと言は必ず添えてください。

自分らしさと相手を思う気持ちが伝わる暑中見舞いを送れば、きっと受け取った相手にも喜ばれるでしょう。

暑中見舞いの構成

暑中見舞いは、以下の4つのブロックで構成するのが基本の形になります。

1.お見舞いの挨拶
2.時候の挨拶からはじまる主文
3.結びの挨拶
4.日付

暑中見舞いを出す相手によって書く内容は異なりますが、こちらの基本構成に沿うと書きやすいでしょう。それぞれのブロックの書き方については、後ほど詳しくご説明します。

「1.お見舞いの挨拶」や「4.日付」は、定型文がありますので、このあとの解説を参考にしてください。

「2.時候の挨拶からはじまる主文」「3.結びの挨拶」は、暑中見舞いを出す相手との間柄によって自由に書いてもよい部分なので、あなたらしさが伝わるよう、楽しんで書きましょう。

1.お見舞いの挨拶

暑中見舞いの冒頭では、「暑中お見舞い申し上げます」などのお見舞いの挨拶を述べましょう。相手が目上の方の場合には、「暑中お伺い申し上げます」と書きます。

本文よりもやや大きめの文字で書いて強調すると、全体のレイアウトを整えやすいです。句点の「。」は不要です。

2.時候の挨拶からはじまる主文

前半では、時候の挨拶と相手の健康を気遣う言葉を書きます。時候の挨拶は、相手の住んでいる地域の気候に合わせた表現を選ぶのが適切でしょう。そのあと、相手の安否を気遣う言葉や、お世話になったことへの感謝の気持ちなどを綴ります。

後半では、自分や家族の近況を簡潔に報告します。自分らしいエピソードを添えれば、相手にも喜ばれるでしょう。

3.結びの挨拶

結びの挨拶は、暑中見舞いの本来の主旨に沿って、相手の健康を気遣う言葉で文章を締めくくります。相手の無事を祈るひと言を添えるのもよいでしょう。

4.日付

暑中見舞いには、具体的な日付を書きません。「令和5年」のように和暦で年数を書き、そのあとに「盛夏」と書きます。

暑中見舞いの構成

暑中見舞いの例文

ここまでにご説明した暑中見舞いの書き方を踏まえ、暑中見舞いを送る相手に合わせた5つのケースを想定し、例文をご紹介します。実際に暑中見舞いを書くときには、例文を参考にしながら、ご自身の状況にあわせて自由にアレンジしてください。

1. 近況報告をする場合

暑中お見舞い申し上げます

今年は例年以上の暑さで過去最高気温を記録する日が続いておりますが、皆様お元気でいらっしゃいますか。
この度、我が家に第一子が生まれました。元気な男の子です。家族みんなで楽しく賑やかな毎日を過ごしております。もしお近くにいらした際は、ぜひ我が家にお立ち寄りください。

まだまだ暑い時期が続きます。この猛暑で体調など崩されぬよう心よりお祈り申し上げます。

令和○年 盛夏

2. 目上の方に送る場合

暑中お伺い申し上げます

盛夏を迎え○○先生におかれましては、ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
私はようやく新しい職場にも慣れ、親身になってくださる上司や先輩方のもと、忙しくも大変充実した毎日を過ごしております。
また休暇が取れましたら、ご挨拶にお伺いしたく存じます。そのときには先生に成長した姿をお見せできるよう励みます。

暑さ厳しき折、ご多忙のことと存じますので、くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。

令和○年 盛夏

3. 遠方に住む親族に送る場合

暑中お見舞い申し上げます

今年も夏本番がやってきました。連日の猛暑が身体に堪えますが、お変わりございませんか。熱中症が多い時期ですので、こまめに水分補給をするなど、どうぞお気をつけてお過ごしください。
私どもは、何事もなく元気に暮らしております。ここ数年はなかなかお伺いできませんでしたが、今年の帰省の際には、子どもを連れて顔を出します。

健やかに夏を乗り切ることができますようお祈りいたしております。

令和○年 盛夏

4. 友人に送る場合

暑中お見舞い申し上げます

ようやく梅雨が明け、本格的な夏が到来しました。とても暑い日が続いていますが、ご家族の皆様もお元気でいらっしゃいますか。
前回○○さんにお会いしてから。早○年が経ちました。今年は夏休みを利用してそちらに旅行する計画を立てています。しばらくご無沙汰しておりましたので、久しぶりにお会いできることを楽しみにしています。

どうぞ健康にご注意の上お過ごしください。

令和○年 盛夏

5. いただいた暑中見舞いにお返事を送る場合

暑中お見舞い申し上げます

このたびは、ご丁寧なお見舞い状をいただき、誠にありがとうございます。皆様にはお健やかにお過ごしのご様子、心よりお喜び申し上げます。
おかげさまで私ども家族も、この暑さに負けることなく元気に暮らしておりますので、どうぞご安心ください。

猛暑が続く毎日でございますので、どうかご家族の皆様くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。

まずは、お礼かたがた暑中お見舞いまで。

令和○年 盛夏

暑中見舞いから残暑見舞いに切り替えるタイミング

今年は暑中見舞いを出してみようと思っていたのに、暑中見舞いの時期を逃してしまったので困っている、という方はいらっしゃいませんか?そんなときは、暑中見舞いから残暑見舞いに切り替えて、大切な方に夏の挨拶状を送りましょう。

暑中見舞いの時期を逃してしまったら?

暑中見舞いを出すのは、立秋の前日(2023年は8月7日)までの時期です。この時期を逃してしまった場合も、暑中見舞いから残暑見舞いに切り替えれば、夏の挨拶状を送ることができます。

残暑見舞いに切り替えるべきか迷っている方は、挨拶状が相手に届く時期を確認してみましょう。たとえ暑中見舞いの時期に書いてポストへ投函したとしても、相手に届くのが立秋(2023年は8月8日)を過ぎるのであれば、残暑見舞いとして出す必要があります。

残暑見舞いを出す時期

残暑見舞いを出す時期は、「立秋(2023年は8月8日)」から8月末ごろまでが目安です。

「処暑の候(8月23日から9月7日まで)」を過ぎる場合は、残暑見舞いではなく通常の手紙として出すことになります。残暑見舞いは、遅くとも9月7日までに相手に届くように出しましょう。

なお、梅雨明けが大変遅れたために、暑中見舞いを出せないまま立秋を過ぎてしまうことが稀にあります。そのような場合は、残暑見舞いに切り替えて出してください。

残暑見舞いの書き方のポイント

残暑見舞いを書く場合も、基本的な構成は暑中見舞いと同じです。ただし、残暑見舞いを出す時期は、暦の上では「秋」になります。まだ暑さが残っているとしても、季節感を意識して書くよう心がけてください。

例えば、冒頭の季節の挨拶では、「残暑お見舞い申し上げます」と書くのが一般的です。時候の挨拶は、暦の上では秋を迎えたことを意識した文章がふさわしいでしょう。最後の日付については、「盛夏」ではなく、「晩夏」「立秋」「葉月」などの言葉で締めくくります。

まとめ

「暑中見舞い」や「残暑見舞い」は、夏の時期に送る季節の挨拶状です。一方で、冬の挨拶状としては、皆様おなじみの「年賀状」があります。

手書きで綴られたこれらの挨拶状は、普段会えない大切な方に思いを伝える手段として、メールやSNSとは違った温かみがあります。思いがけない便りに、受け取った相手も大変喜ばれるのではないでしょうか。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

暑中見舞いを出す時期はいつ頃ですか?

「暑中」とは、二十四節気の「小暑」から「立秋の前日」までの時期を指します。
2023年の場合、7月7日から8月7日までが「暑中」の期間にあたりますので、こちらの期間に相手に届くように出しましょう。

残暑見舞いに切り替わるタイミングはいつですか?

残暑見舞いを出す時期は、立秋(2023年は8月8日)から8月末ごろまでが目安です。

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