会社の「喪中」とは?取引先に喪中はがきは出すべき?年賀状のビジネスマナーを解説

喪中とは故人の死を悼む期間のことを言いますが、会社にも「喪中」はあるのか考えたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。会社や法人には基本的に「喪中」という概念はないものの、一部例外もあります。

今回は会社の「喪中」とはどういうものなのか、ビジネス関係の相手に喪中はがきを出すべきかどうかなど、喪中はがきのビジネスマナーについてご紹介します。喪中の基本知識についてもご説明しますので、ぜひこの機会にご確認ください。

喪中とは?

喪中とは、一般的に二親等以内の親族に不幸があった際に、故人を偲んで喪に服す期間のことを言います。父母、義父母、子供など一親等の場合は一周忌が終わるまで、兄弟姉妹、祖父母、孫など二親等の場合は3~6ヵ月を喪中とするのが一般的です。喪中にはお祝いごとや遊興、旅行など派手な行動を慎むべきとされ、喪中マナーの最も身近なものとして「喪中はがき」があります。

喪中の方は「身内に不幸があったため、新年のご挨拶ができません」という案内のために喪中はがきを送り、喪中の間は年賀状のやり取りをしないのがマナーです。

喪中に避けるべきこと

年賀状のやりとりのほかにも喪中に避けるべきことがいくつかあります。お祝いごとへの参加や遊興、旅行など派手な行動は基本的にNGとされています。

喪中の方は、以下の行動を避けたほうがよいでしょう。

  • 自身の結婚や結納
  • 神社への参拝
  • 家の新築・改築

一方、以下の行動は忌中は控えた方がよいものの、喪中の場合は行って良いとされています。

  • お歳暮やお中元のやり取り
  • 葬式への参列
  • スポーツ観戦や飲み会への参加

喪中はがきのマナー

ここからは、一般的な喪中はがきのマナーについて確認してみましょう。

喪中はがきとは「身内に不幸があったため、新年のご挨拶ができません」と案内するための挨拶状です。喪中はがきは相手が年賀状を書き始める前に届けるのが望ましいため、12月初旬までに送るようにします。

デザインは、白黒や薄墨色など華美でないものを選びましょう。しまうまプリントでは喪中はがきの豊富なテンプレートも用意していますので、ぜひチェックしてみてください。12月初旬までに喪中はがきを投函できなかった場合は、松の内(関東では1月7日)が明けてから寒中見舞いとしてご挨拶すると良いでしょう。

喪中はがきを出した相手から年賀状が届いたら

喪中はがきを送った相手でも、中には喪中であることを忘れて誤って年賀状を出してしまう方もいらっしゃるかもしれません。喪中はがきを送った相手から年賀状が届いてしまった場合は、どうすれば良いのでしょうか。

自分が喪中のときに年賀状が届いて返信する場合、松の内までは返事を送ることができません。松の内が明けてから、年賀状の代わりに寒中見舞いを送るようにしましょう。デザインは、冬をイメージしたものにするのがおすすめです。その際に、年賀状をいただいたお礼や返信が遅くなったお詫びを添えると丁寧です。

会社にも喪中はある?

個人であれば、一般的に二親等以内の親族に不幸があった場合に喪中となります。それでは、会社にも「喪中」の概念はあるのでしょうか。社長や社内の方がなくなった場合に会社が喪中となるのかどうか、確認してみましょう。

基本的に会社に喪中はない

そもそも会社や法人には「喪中」という概念は存在しません。喪中とは近親者が亡くなったことを指すため、会社の社長や創設者が亡くなったとしても、会社自体が喪中になることはありません。

もし取引先の社長や取締役、創設者などが亡くなった場合も、あくまで故人の近親者のみが喪中になり、会社は無関係です。そのため、例年通り会社として年賀状で新年の挨拶をしても問題ありません。また、その会社宛てに年賀状を送っても失礼にはあたらないのです。

同族経営・家族経営の場合は例外

会社自体には喪中はありませんが、例外もあります。

会社の従業員の半数以上が社長の親族である「同族経営」や、社長の家族のみで経営する「家族経営」など、会社であっても喪中となるケースがあります。家族や親族で経営する会社の場合、社長が亡くなることは一家の長が亡くなることを意味します。そのため、同族経営や家族経営の会社で不幸があった際は、会社と言えど喪中になる場合があると覚えておきましょう。

取引先から喪中はがきが届いた場合

会社の喪中については、会社の運営や家族構成など判断が難しいことも多く、年賀状を送るべきかどうかについて悩む方も多いかもしれません。もし取引先から喪中はがきが届いた場合は、相手の会社が同族経営や家族経営でなくても、年賀状は避けるのがマナーです。

年賀状でご挨拶する代わりに、松の内が明けたら「寒中見舞い」を出すと良いでしょう。

会社が「喪中」の場合のマナー

喪中は基本的にお祝いごとや派手な行動を避けるべきとされていますが、会社が「喪中」の場合のお歳暮や正月飾りはどうすべきか迷うところです。ここからは、会社が喪中の場合にお歳暮のやりとりや正月飾り、忘新年会を行っても良いか解説します。

喪中でもお歳暮は送って良い

お歳暮はお祝いごとの贈り物ではなく、普段お世話になっていることへの感謝の気持ちを表す目的で贈るものです。そのため、喪中の相手にお歳暮を贈ることはマナー違反ではありません。同じ理由から、お世話になった方に夏に贈るお中元も、喪中の相手に贈っても何ら差支えありません。 ただし、相手に不幸があって間もない場合は四十九日法要が過ぎてから贈るなど、タイミングに配慮しましょう。

喪中にお歳暮を贈る際の注意点

喪中にお歳暮を贈ること自体に問題はありませんが、「忌中は避ける」「紅白の水引を避ける」の2点に注意が必要です。

忌中とは近親者が亡くなってから四十九日までのことを言い、忌中は贈答品のやりとりも避けるべきとされています。お歳暮を贈る際は、忌明けのタイミングに贈るようにしましょう。

お歳暮には紅白の水引を用いるのが一般的ですが、紅白の水引は慶事用にあたります。喪中の相手にお歳暮を贈る際は、白無地ののし、または白い短冊を使用しましょう。

正月飾りは飾って良い

基本的に会社の場合は、社内の方に不幸があっても正月飾りを飾って良いとされています。
社長や創業者が亡くなった場合も会社として喪中にはならないため、例年通り会社の玄関前に門松などの正月飾りを置くと良いでしょう。

ただし、同族経営や家族経営で会社を喪中とする場合は正月飾りを控えるケースもあります。

忘新年会は自粛するケースも

会社の社長が亡くなった場合、その年の忘新年会など宴会は自粛するという会社が多いようです。一方で、葬儀などが済んだあとに「故人を偲ぶ会」や「お別れの会」などを開くこともあります。

自分が喪中の場合に忘新年会に参加するかお悩みの方も多いかもしれません。基本的に忘新年会のような大勢が集まるお祝いの席への参加は控えるべきですが、忌中でなければ参加するという人も多くいます。ご自身の状況やお気持ちから判断すると良いでしょう。

自分が喪中の場合、ビジネスの相手に喪中はがきは出すべき?

身内に不幸があった場合、上司や同僚、取引先などビジネスの相手に喪中はがきを出すべきかは迷うところです。ここからは、社外の相手と社内の相手の2パターンに分けて、喪中はがきを出すべきかどうかご説明します。

取引先など社外の相手の場合

社外の相手に対しては、喪中はがきは出さずに年賀状で新年の挨拶をしても良いとされています。ビジネス上だけのお付き合いと捉え、今後も変わらぬお付き合いをお願いする意味で年賀はがきを出すという方も少なくないようです。

ただし、親など1親等が亡くなった場合など葬儀で会社を一定期間お休みした方は、喪中はがきを出しても良いでしょう。また、プライベートでもお付き合いがある親しい相手の場合も、喪中はがきで欠礼をお知らせすると丁寧です。

上司や同僚など社内の相手の場合

身内に不幸があり葬儀の日取りなどで会社を休んだ方は、上司や同僚など社内の相手に喪中はがきを出しても良いでしょう。家族ぐるみでの交流などプライベートでもお付き合いがある相手にも、喪中はがきを出すようにします。

なお、喪中の場合仕事初めに職場で会っても「おめでとう」という言葉は使わないのがマナーです。「今年もよろしくお願いします」など、お祝いの言葉は使わずに挨拶すると良いでしょう。

文例

ここでは、上司や同僚など社内の相手に喪中はがきを送る場合の文例をご紹介します。喪中はがきを用意する際は、「句読点は使わない」「忌み言葉は使わない」など、基本的なマナーに注意しながら書きましょう。

喪中につき新年のご挨拶を失礼させていただきます
本年○○月に父○○が○○歳にて永眠いたしました
ここに本年中に賜りましたご厚情に感謝いたしますとともに
明年も相変わらぬご厚誼のほどお願い申し上げます

喪中につき勝手ながら新年のご挨拶は差し控えさせていただきます
本年○○月に母○○が永眠いたしました
本年中の御厚情に深く御礼申し上げます
皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます

まとめ

ビジネスシーンでの喪中はがきは出すべきか迷う方も多いでしょう。お歳暮や正月飾りなどどうすれば良いか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。

会社や法人には基本的に喪中の概念はありませんが、中には例外もあります。間違った立ち振る舞いをしてしまうと、相手に大変な失礼をしてしまう可能性もあります。喪中の基本知識や喪中はがきのマナーについて再確認し、相手に失礼のないよう対応しましょう。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。