退職報告を年賀状でするのはNG?退職する際の年賀状の書き方やシチュエーション別の文例もご紹介

公開日:2023年8月17日
更新日:2023年10月2日

年賀状には大きく分けてビジネス関係の年賀状とプライベートの年賀状があります。上司や先輩、取引先、顧客などに出す年賀状は、プライベートの年賀状とは異なり、よりマナーや言葉遣いに気を付けなければなりません。

中には、退職の報告を兼ねて年賀状を送ろうと考えている人もいると思います。
ビジネス関係の年賀状で特に迷うのが、退職関連の年賀状かもしれません。

今回は、退職報告を年賀状でしても良いのか、その場合の年賀状の書き方やシチュエーション別の挨拶文の文例とともにご紹介します。

退職報告を年賀状でするのはNG?

退職の報告は対面でするのがマナーとされており、対面で退職のご挨拶をしたあとに年賀状で退職のことに触れるのが基本です。しかし、年末にかけて忙しくなる人も多く、年賀状で退職報告をしたいという人もいるのではないでしょうか。

お互いに忙しくて対面での退職報告ができない場合は、年賀状に退職の報告を兼ねた挨拶文とお詫びの文章を添えましょう。在職中の感謝の気持ちや送る相手とのエピソードなど、手書きのメッセージを添えるとなお良いでしょう。

退職済み予定でも年賀状は出した方が良い

年賀状の届くお正月にはすでに退職済みの予定の人もいるでしょう。その場合、相手との接点がなくなるため、年賀状を送る必要がないと思う人もいるかもしれません。

しかし、退職したあとにお付き合いが続くことも、何か別の接点でつながることもありえます。年賀状を出しておくと、そうした時に覚えておいてもらえたり、困ったときに助けてもらえたり、といったことがあるかもしれません。
在職中にお世話になった方には、これまでの感謝を伝える意味でも年賀状を書くと良いでしょう。

退職報告をする際の年賀状の書き方

退職報告をする際の年賀状では、退職に関連する適切な文を選ぶことはもちろんですが、年賀状の基本ルールや言葉遣いにも気を付けなければなりません。
気持ち良く退職報告をして新年を迎えるためにも、最低限のマナーやルールは押さえておきましょう。

年賀状の基本ルール

ビジネス関係の方への年賀状では、特に年賀状の書き方やマナーなど基本ルールに気を付けたいものです。
お互いに気持ちの良い新年を迎えられるよう、丁寧で心のこもった年賀状を書くよう心がけましょう。

氏名の書き方

氏名は最も重要な個人情報です。特に漢字の間違いに気を付け、上司や取引先、顧客には「様」、会社や部署宛であれば「御中」と書き添えましょう。
書き損じてしまった場合は修正テープなどは使用せず、新しい年賀状に初めから書くのがルールです。

また、差出人の氏名は表面に書いても裏面に書いても良いとされていますが、最近は裏面(デザイン面)に住所・氏名を書くことが多くなっています。自分の名前は相手の名前よりも小さな字で書くようにしましょう。

賀詞

賀詞は年賀状の裏面に書くお祝いの言葉で、1文字、2文字、4文字の漢字で表すものと文章で書くものがあります。1文字や2文字の賀詞は相手に対する敬意や丁寧さに欠けるとされるため、目上の方には4文字や文章の賀詞を選ぶようにしましょう。

4文字の賀詞には「謹賀新年」「謹賀新春」「恭賀新年」「恭賀新春」などが、文章の賀詞には「あけましておめでとうございます」「謹んで新年のお慶びを申し上げます」などがあります。

「謹賀新年 あけましておめでとうございます」のように2つ以上の賀詞を使用することもマナー違反とされています。相手に合わせて適切な賀詞を一つ選びましょう。

手書きの添え書き

ビジネス関係の年賀状は出す枚数が多く準備が大変ですが、手書きのメッセージがあると気持ちが伝わりやすくなります。年末は忙しくて年賀状作成にかける時間が思ったように取れないかもしれませんが、特にお世話になった方には添え書きをしましょう。

たった一言でも、「忙しい中わざわざ手書きでメッセージを書いてくれた」と、受け取った相手にも気持ちが伝わるでしょう。

年賀状を書く際に気をつけるべきこと

年賀状には、ビジネス関係でもプライベートであっても気をつけなければならない一定のルールがあります。意外と知られていないものや何気なく使ってしまいがちなNGワードもあるので、今一度確認しておきましょう。

句読点を使用しない

普段文章を書く際は、「、」「。」などの句読点を使って読みやすくすることも多いと思います。しかし、年賀状では句読点は使用しないというルールがあります。

お祝いごとはいつまでも続いてほしいものであり、区切りを付けてしまうのは縁起が良くないとされるためです。
文章が長くなってしまう場合や読みにくい場合は、スペースや改行を使用すると良いでしょう。

忌み言葉を使用しない

忌み言葉とは、「終わる」「去る」「失う」「閉める」「戻る」「病」「涙」など、ネガティブな意味を含む言葉です。忌み言葉はおめでたい新年にふさわしくないとされるため、年賀状では使わないようにしましょう。

特に「去年」や「失礼」などは年賀状でも使ってしまいがちですが、「旧年中」など別の単語に置きかえるのが一般的です。昨今「コロナ禍」という言葉も使われがちですが、「禍」という漢字も忌み言葉に当たるため、年賀状では避けるようにしましょう。

ビジネス年賀状では家族写真を避ける

写真付き年賀状はその人の最近の姿がよりわかりやすく、人気の高いデザインです。オリジナリティにあふれ、その人らしさが表現できるため毎年写真を添えるという人も多いでしょう。

しかし、ビジネスシーンの年賀状において、子どもが主役の写真や家族旅行の写真はくだけた印象を与えるため、避けるのが無難です。公私ともにお世話になっている方の場合は良いかもしれませんが、そうでない場合は家族写真でないデザインを選びましょう。

相手が喪中の場合は寒中見舞いで報告

喪中はがきが届いた場合や相手が喪中とわかっている場合は、年賀状を送る必要はありません。代わりに、書状をいただいた御礼とともに寒中見舞いを出すのが一般的です。

松の内(1月7日。関西では1月15日頃)が明けたら、お悔やみの言葉を添えて寒中見舞いを出します。宛先の住所によって投函時期を間違えないようにしましょう。

相手が喪中と知らず年賀状を出してしまった場合はすぐにお詫びの連絡を入れ、松の内が明けてからあらためて寒中見舞いを出すのがマナーです。

シチュエーション別 退職関連の年賀状文例

ここからは、退職関連の年賀状で使える文例をシチュエーション別にご紹介します。年賀状が届くころに退職済みの場合、まだ退職していない場合の2パターンで、それぞれ上司・取引先宛て、同僚宛てと分けているので、ぜひ参考にしてみてください。

退職済みの場合

退職した後に年賀状を送る場合は、在職中にお世話になったことに対する感謝の気持ちやこれまでのエピソードを一言添えると良いでしょう。
直接退職の報告ができない場合は、年賀状をもっての報告となることについてお詫び文も添えます。

上司・取引先など目上の方宛て

旧年中は公私ともにご指導いただきありがとうございました
新たな環境で日々精進しております
新しい年が幸多き年でありますようお祈り申し上げます

旧年中は多大なるお力添えをいただきありがとうございました
このたび○○社を退職し○○社に転職いたしました
書中でのご報告となりお詫び申し上げます
これまで同様ご厚情にあずかりますようお願い申し上げます

明けましておめでとうございます
在職中は公私ともにお世話になりありがとうございました
○○様の教えを活かして新天地で頑張っております
皆様のご多幸とご健勝をお祈り申し上げます

謹んで新年のお慶びを申し上げます
在職中はご指導ご鞭撻を賜りありがとうございました
寒い日が続きますのでどうぞお体に気を付けてお過ごしください

同僚など親しい方宛て

新年あけましておめでとうございます
○月○日をもちまして退職いたしました
在職中はプロジェクトでお世話になりました
皆様のご活躍をお祈り申し上げます

明けましておめでとうございます
在任中は○○さんのサポートに助けられました
これからもお互いの環境で成長していきましょう
○○さんにとってより良い一年になりますように

新年おめでとうございます
在職中はお世話になりました
ご無沙汰していますが ますますご活躍のことと存じます
お互い健康に気を付けて良い一年にしましょう

明けましておめでとうございます
ご無沙汰していますがお変わりありませんか
こちらは変わらず元気に過ごしています
○○さんにとって素晴らしい一年になりますよう祈っております

退職予定の場合

年明け以降に退職予定の場合は、退職する旨を添えた文面にします。退職時期がわかっている場合は、日付も記載すると良いでしょう。年明けすぐの退職など直接挨拶ができない場合はお詫びの文も添えましょう。

上司・取引先など目上の方宛て

旧年中は大変お世話になりありがとうございました
このたび○月○日をもって○○社を退職することとなりました
在職中は長きに渡りご指導いただき大変ありがとうございました
皆様にとっては幸の多い一年でありますよう心よりお祈りいたします

旧年中は公私ともにご指導をいただきありがとうございました
本年○月○日をもって退職させていただくことになりました
本年がより良い年になりますようお祈り申し上げます

平素より格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます
このたび○月○日をもって退職させていただくことになりました
略儀ではございますが書中をもちましてご報告させていただきます
皆様にとっては幸多き年でありますようお祈り申し上げます

同僚など親しい方宛て

旧年中は大変お世話になりました
本年○月より○○社で勤務することになりました
今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます

あけましておめでとうございます
本年○月○日をもって退職させていただくことになりました
○○さんと日々切磋琢磨でき励みになりました
本年がより良い年になりますようお祈り申し上げます

新年おめでとうございます
このたび○月○日に退職することとなりました
本年が皆様にとって良い年になりますようお祈り申し上げます

あけましておめでとうございます
昨年は大変お世話になりました
本年○月で○○社を退職となりますが
今後ともよろしくお願いいたします
本年が○○さんにとってより良い年になりますようお祈りいたします

定年退職の場合

定年退職の報告も対面でするのがマナーですが、年賀状での報告となる場合は一言お詫びの文章を付け加えます。
年賀状じまいを考えている方は、その旨も記載すると良いでしょう。

旧年中はお心遣いを賜り厚く御礼申し上げます
本年○月をもちまして定年退職いたします
長きにわたりご支援いただき感謝いたしております
今後も変わらぬお付き合いをお願い申し上げます

新年あけましておめでとうございます
○月○日をもって定年退職いたしました
書中でのご連絡となり申し訳ございません
本年がより良い年になりますようお祈り申し上げます

旧年中は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
本年○月をもって長年勤めた職場を定年退職する運びとなりましたため
毎年の年賀状は今年限りで失礼させていただくくことにいたしました
今後のご連絡はメールやSNSでさせていただければ幸いです
皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈りいたします

退職関連の年賀状を書く際のポイント

退職を絡めた年賀状を書くときは、普段のビジネス年賀状に加えていくつか気を付けたいポイントがあります。
気持ちよく退職報告し、新たな気持ちで一年を迎えられるよう、マナーに気を付けて心のこもった年賀状を送りたいですね。

退職"挨拶"は対面でした方が良い

年末年始は慌ただしく、お互いにアポイントを取るのが難しいかもしれません。しかし、退職の挨拶は対面でするのがマナーです。

もし退職時期が年末年始にかかるようなケースや、お互いにスケジュール調整が難しい場合は、なるべく早めに退職の挨拶を済ませておくと良いでしょう。その後、退職について一文を添えて年賀状を出すのが基本的な流れです。

急な退職などどうしても都合がつかないときは、年賀状で退職の挨拶をすることについてお詫びの文章を添えるようにしましょう。

在職中の感謝の気持ちを伝える

退職する場合、今後お付き合いが続くかわからないので年賀状を出さないケースもあるかもしれません。しかし、人とのお付き合いは今後どこかで生かされる可能性があります。

在職中にお世話になった上司や取引先の方には、今後お付き合いが続くかどうか不明な場合でも、今までの感謝の気持ちを伝える意味で年賀状を出しましょう。手書きで個別のメッセージを添えると心がこもった年賀状となり、なお好印象です。

まとめ

退職の挨拶は対面でするのがマナーですが、年賀状での報告になってしまう場合もあるかもしれません。その場合も、相手に失礼のないようマナーや言葉遣いに気を付け、手書きのメッセージを添えることで相手に気持ちが伝わるでしょう。

また、退職の挨拶を対面で済ませた場合も年賀状で再度退職に触れると丁寧です。ぜひ文例を参考にしながら、年賀状を作成してみてください。

年賀状は、人と人をつなぐ年に一度のご挨拶です。退職後のお付き合いがより良いものとなるよう、ルールやマナーを守りながら年賀状を作成してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

年賀状で退職報告をしても問題ないですか?

退職の報告自体は対面でする方が良いでしょう。その後、年賀状で退職のことに触れるのが基本です。

お互いに忙しくて対面での退職報告ができない場合は、年賀状に退職の報告を兼ねた挨拶文とお詫びの文章を添えましょう。在職中の感謝の気持ちや送る相手とのエピソードなど、手書きのメッセージを添えるとなお良いでしょう。

退職挨拶の年賀状を書く際に気を付けるべきポイントはありますか?

退職挨拶に限らず、基本的な年賀状のマナーは守るべきです。
句読点を使用しない・忌み言葉は避ける・修正ペンを使わないなどが挙げられます。

こちらの記事内で、年賀状の書き方やマナーについて詳しくご紹介しています。