高齢を理由にした年賀状じまいのおすすめ文例をご紹介!書き方やポイントも解説

公開日:2023年10月6日
更新日:2024年9月19日

昨今、年賀状を準備する手間や負担といったさまざまな理由から、長年続けてきた年賀状の辞退を考える方が増加しています。年賀状の辞退を伝えることは「年賀状じまい」と呼ばれ、特に高齢の方に広がりつつあります。

年を重ねることは誰しもが避けては通れないため、高齢を理由にした年賀状じまいは相手にも受け入れやすいでしょう。しかし、伝え方を間違えると、今後のお付き合いそのものが終わりになってしまう可能性があるため注意が必要です。

この記事では、高齢を理由にした年賀状じまいの書き方やポイントを紹介するとともに、おすすめの文例を理由別に紹介します。

「年賀状じまいを考えているけれど失礼のない年賀状を作りたい」「年賀状じまいを伝えるにはどんな文章がよいのか」など、年賀状じまいの作成について迷いがある方はぜひ参考にしてください。

年賀状じまいとは

年賀状じまいとは、これまで年賀状のやりとりをしていた相手に対し、「今年で年賀状のやりとりは辞退させていただきます」と伝えることです。

年賀状じまいをしなくても年賀状を辞めることは可能ですが、それでは誠実さに欠けてしまいます。年賀状じまいで辞めるのはあくまでも年賀状であり、お付き合いは今後も続きます。

これからも相手と良い関係性を保つためにも、年賀状を辞める意思と理由をきちんと伝え、丁寧な年賀状じまいを行いましょう。

年賀状じまいのメリットとは

今まで年賀状のやり取りを行っていた人との関わりがなくなってしまうのは、少し寂しいものです。しかし、年賀状以外での交流が増えたり、自分の時間に充てられたりするなど、メリットもあります。 ここでは、年賀状じまいのメリットについて紹介します。

人間関係を見直せる

普段まったく連絡を取らない、年賀状だけのやり取りだけの関係性になっている知人や親戚も多いでしょう。年賀状じまいは、そのような人たちとの関係性を見直すきっかけになります。

年賀状じまいには、年賀状以外で交流を続けたい旨を添えるのがマナーです。メールアドレスやSNSのアカウントをお知らせするとよいでしょう。年賀状以外での関わりが少なかった人たちと交流でき、関係性が復活する可能性もあります。

年賀状作成の手間や費用を減らせる

大掃除や家族の帰省にかかる準備など年末の忙しさの中で、年賀状を作成するのは大変です。特に、年齢が進むにつれて、手間や費用面で年賀状作成が負担に感じてしまう場合も多いでしょう。

年賀状じまいは、年賀はがきを買ったり印刷する際の費用、準備の手間を減らせます。年賀状作成にかかっていた時間やお金を、自分の趣味やさまざまな人との交流に充てられるようになります。

年賀状じまいのデメリットとは

さまざまなメリットがある一方、年賀状じまいにはデメリットもあります。年賀状じまいを行いたいと考えている場合は、デメリットを踏まえた上で行うかどうか検討しましょう。

年賀状じまいのデメリットについて、紹介します。

年賀状を再開しにくくなる

年賀状じまいを送った翌年以降、再び年賀状を出したいと思っても出しにくくなってしまう可能性もあります。年賀状を復活させることはもちろん可能ですが、「年賀状を辞めると言っていたのに…」など相手を混乱させてしまいかねません。

今後、年賀状を再開する可能性があるのか、年賀状を辞めてしまっても後悔がないかどうか、よく考えた上で年賀状じまいを行うようにしましょう。

印象を悪くしてしまう可能性がある

年賀状じまいをする人が増加してきているとはいいつつ、すべての人に認知されているわけではありません。年賀状じまいに馴染みのない人にとっては、「縁を切られる」「お付き合いがなくなる」などと勘違してしまう可能性もあるでしょう。

年賀状じまいを行う場合、年賀状を辞める理由をはっきりと伝えた上で、手段は変わってもお付き合いを続けていきたい気持ちを伝えることが大切です。

高齢の方が年賀状じまいをする理由

高齢の方が年賀状じまいをする理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、高齢の方が年賀状じまいをする代表的な理由を3つ紹介します。

気力・体力の衰え

高齢の方が年賀状じまいをする理由として、最も多いのが高齢による気力や体力の衰えです。

高齢になり、手が震えたり視界がぼやけたりすることは珍しくありません。加齢に伴う心身機能の低下により、気力が衰えることもあるでしょう。

年賀状の作成には、宛名を書いたり、一人ひとりにメッセージを書き添えたりなど、さまざまな作業があります。年賀状の枚数が多ければ多いほど、その負担は大きくなるでしょう。

年賀状を書きたい気持ちがあったとしても、気力や体力が伴わないことから、仕方なしに年賀状じまいを行うケースが多く見受けられます。

終活の一環

終活の一環として、年賀状じまいを行う方も増えています。高齢者が行う年賀状じまいは、「終活年賀状」と呼ばれることもあります。

終活とは、人生の終わりのためのさまざまな準備や活動を意味する言葉です。生前整理として身の回りの片付けや相続の手続きを行いますが、人間関係の整理を行う方もいます。

連絡手段の変化

現在、日本のスマートフォン所有率は、国民全体の9割を超えています。スマートフォンの普及は若い世代だけではありません。60代で9割、70代でも7割と、高齢の方もスマートフォンを所有する人が増えています。

スマートフォンの普及に伴い、メールやSNSの利用者数も年々増加し、連絡手段は変化しました。普段の連絡だけでなく、これまで年賀状で行っていた年始の挨拶を、メールやSNSへと移行する方が増加しているのです。

高齢を理由にした年賀状じまいの書き方

年賀状じまいは、伝え方によっては絶縁宣言と捉えられる可能性があるため、書く内容には細心の注意を払わなくてはなりません。

ここでは、高齢を理由にした年賀状じまいの書き方のポイントを紹介します。ポイントをおさえ、丁寧な年賀状じまいを行いましょう。

新年の挨拶

年賀状じまいの初めに書くべきことは、一般的な年賀状と同様に新年の挨拶です。

いきなり年賀状じまいを伝える文章では、相手を驚かせたり不快な思いをさせたりしてしまうでしょう。高齢を理由に年賀状の辞退を伝える年賀状でも、年賀状の本来の目的を忘れてはいけません。

まずは、「謹賀新年」や「あけましておめでとうございます」といった、新年の挨拶を年賀状の始めに記載します。その他にも、近況報告を手短に書くのも良いでしょう。

高齢による年賀状じまいの宣言

新年の挨拶の次に、年賀状じまいを宣言する言葉を書きます。

年賀状じまいは、一方的に年賀状の辞退を伝えるものです。絶縁の連絡と誤解されないよう、高齢を理由にした年賀状じまいであることを簡潔かつ明確に書きましょう。相手の理解をより深めるためには、状況を具体的に書くと良いでしょう。

とはいえ、「人間関係を整理したいため」と書いてしまっては、相手に不快な思いをさせてしまいます。受け取る側の気持ちを考え、誤解を招かないような言葉を選びましょう。

感謝の言葉

何十年も年賀状のやりとりをしてきたのにもかかわらず、一方的に年賀状の辞退のみを伝える文面では、受け取る側は寂しいものです。

長い期間、年賀状のみの付き合いをしてきた方には、これまでの感謝の気持ちを伝える一文を必ず加えるようにしましょう。

日常生活や仕事、趣味などで、これからもお付き合いを継続したい相手には、「今後とも変わらぬお付き合いをお願いします」といった文面を書き添えると良いでしょう。

結びの言葉

年賀状じまいでも、今後の相手の幸せや健康を願う気持ちなどの結びの言葉を書き、年賀状を締めくくるのがマナーです。

ここでも、年賀状じまいが絶縁ではないという意思表示をすることが大切です。これらもお付き合いを継続したい相手には、年賀状に代わる代替の連絡手段を明記しましょう。

連絡先が明記されていることで、「今後もお付き合いを続けたい」という意思が伝わり、相手の気分を害することも避けられるでしょう。

高齢による年賀状じまいの文例

高齢による年賀状じまいは、相手の理解も得やすい傾向にあります。しかし、いざ文章を書くとなると、「どのような文面にするべきか」と悩む方も多いでしょう。

高齢による年賀状じまいの文例を、具体的な理由別に紹介します。

年齢を理由にした文例

高齢による年賀状じまいでは、祝年や定年退職など、年齢を理由にした年賀状じまいが行えます。特に、祝年は一定の年齢になったことを祝う儀式であるため、文面に入れるだけで高齢を理由とした年賀状の辞退となります。

人生の節目を迎えたことを理由にした年賀状じまいは、相手も明るい気持ちで受け入れてくれるでしょう。

▼文例1

謹んで新年のお祝いを申し上げます
旧年中は大変お世話になり 誠にありがとうございました

さて私も今年で古稀という人生の節目を迎えることとなりました
これを機にどなた様にも年始のご挨拶を今年限りで失礼いたしたいと思います
ご無礼をどうぞお許しください

控えさせていただくのは年賀状だけですので
今後とも変わらぬお付き合いの程よろしくお願いいたします
時節柄 ご自愛くださいますようお祈り申し上げます

▼文例2

あけましておめでとうございます
旧年中は格別のご高配を賜り誠にありがとうございました
おかげ様で家族みな元気に過ごしております

私ごとではございますが長年勤めた職場を定年退職をする運びとなりました
これを節目にどなた様にも年始の挨拶状は本年で辞退させていただきます

今後はメールやSNSにて皆様との交流を深めていきたいと存じます
皆様のご健康とご多幸をお祈りいたしております

体力の衰えを理由にした文例

高齢による年賀状じまいでは、体力の衰えを理由にするケースも多く見受けられます。

「寄る年波には勝てず」といった表現の他、手の震えや視力の低下など、年賀状を書く上で不都合となる体力の衰えを具体的に記載してもいいでしょう。高齢による体力の衰えを具体的に記載することで、より相手の理解を深めることができます。

▼文例1

新年おめでとうございます
皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか

さて私も寄る年波には勝てず 体力の衰えを感じてまいりました
毎年の年賀状をしたためることも難しくなってまいりましたので
本年をもちまして年頭のご挨拶状を失礼させていただきたく存じます

誠に勝手ではございますが なにとぞご了承いただきますようお願い申し上げます
今後は電話やメールにてご連絡を取り合わせていただけましたら幸いです

厳寒の折 風邪など召されませんようご自愛ください

▼文例2

あけましておめでとうございます
昨年中はいろいろとお世話になり心よりお礼申し上げます

高齢になり手元もおぼつかなくなってきてしまったため
今年を最後に新年のご挨拶をご遠慮させていただきたく存じます

体調に特段の支障があるわけではなく至って健康に過ごしておりますので
近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください

皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りいたしております

終活の一環を理由にした文例

高齢になり、終活を意識する年齢に差しかかったことを、年賀状じまいの理由にするのも良いでしょう。

終活の認知度は高く、生前整理として認識している方は数多くいます。中には、「終活で人間関係も整理しているのか」と、ネガティブに捉える方がいることを忘れてはいけません。

終活の一環を理由にする場合は、新たな連絡手段を明記し、今後の変わらぬお付き合いをお願いするポジティブな文面を意識する必要があります。

▼文例1

皆様にはよき新年をお迎えのこととお慶び申し上げます
旧年中は大変お世話になりありがとうございました

昨年に定年退職したことを節目とし終活を始めることとしました
つきましては終活の一環として本年にて年賀状を書き納めとする所存です

今後はSNS経由で新年のご挨拶や近況報告を行わせていただきます
アカウントは〇〇です
今後も変わらずのお付き合いをよろしくお願い申し上げます

▼文例2

謹賀新年
旧年中は大変お世話になりありがとうございました

私ごとですが本年で80歳を迎え 終活を意識する年齢に差し掛かりました
そのため本年をもちましての年始のご挨拶は最後にさせていただきます

長きにわたり皆様にはあたたかい賀状を賜りありがとうございました
心より御礼申し上げます

今後は電話やメールでお付き合いいただけたら幸いです

これからも変わらぬお付き合いをお願い申し上げるとともに
皆様のご多幸をお祈りいたしております

年賀状じまいを代筆する場合の文例

高齢により本人が病院や介護施設に入所したり、認知症などの病気を患ったりしている場合は、家族が代筆して年賀状じまいを行うこともあります。

代筆は相手に心配をかける可能性があるため、健康状態や暮らしぶりなど本人が健在である旨を書き添えましょう。しかし、相手によっては、病状などには詳しく触れない方が良い場合もあります。代筆する場合は、本人と相手との関係性や状況に配慮した文面にしましょう。

▼文例1

あけましておめでとうございます
旧年中は大変お世話になり ありがとうございました

おかげさまで母は元気に過ごしておりますが
高齢により自身で筆をとることが難しくなって参りました

毎年楽しみにしておりました年賀状ですが
本年限りで最後とさせていただきたく存じます

勝手ではございますがなにとぞご容赦ください
今後ともお元気でお過ごしくださいますようお祈り申し上げます

▼文例2

お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます

父は昨年より入退院を繰り返しており年賀状をしたためることが難しくなりました
このような事情ですので今後は年賀状でのご挨拶は控えさせていただきます

父の容態は安定しておりますのでご心配のないようにお願いいたします

長きにわたるご厚誼に心よりお礼申し上げるとともに
皆様のご健康とご繁栄を心よりお祈り申し上げます

高齢による年賀状じまいを伝える際のポイント

年賀状じまいの伝え方を間違えることで、これまで築いた人間関係が壊れ、相手だけでなく自分自身も後味の悪い思いをする可能性もあります。

高齢による年賀状じまいを実行する前に、伝える際のポイントを確認しておきましょう。

高齢による年賀状じまいであることを明確に書く

理由を書かなくても、年賀状じまいを行うことはできます。しかし、理由もなく突然年賀状の辞退を申し出た場合、「なにかあったのだろうか」と心配をかけたり、「嫌われるようなことをしてしまったのだろうか」と不安な思いをさせたりしてしまいます。

すべてを事細かに書く必要はありませんが、相手に要らぬ心配や不安をかけないためにも、高齢による理由であることを明記した方がよいでしょう。

全員に申し出ていることを伝える

年賀状じまいは、個人的に送っているのではなく、全員に送っていることを伝える必要があります。

相手が自分にだけに年賀状じまいを伝えていると勘違いした場合、今後の付き合いにひびが入りかねません。相手に誤解を与えることがないよう、誰が読んでも同じ意味にとれる文面を意識しましょう。

「どなた様にも」「皆様方に」など、不特定多数の相手に向けて使う言葉を使用することで、特定の個人に向けた内容ではなく、受取人全体に向けた内容であることを相手に伝えることができます。

代替の連絡手段を伝える

年賀状じまい後も連絡がとれるよう、代替の連絡手段を伝えることも大切です。電話番号やメールアドレス、SNSのIDなど、都合の良いものを記載しましょう。

新しい連絡手段を提案することで、相手とのコミュニーケーションがスムーズになる可能性があります。長らく会っていなかった友人から、近況報告などのメッセージが届くこともあるでしょう。

年賀状じまいを、再び連絡を取り合うきっかけにつなげることで、今後もより豊かな人生が送れるようになるでしょう。

まとめ

体力の衰えや終活の一環など、高齢を理由にした年賀状じまいは、理由を明確に書くことで、相手の理解を得ることができます。

とはいえ、どれだけ言葉遣いや文面に気を遣ったとしても、年賀状じまいを受け取る側は、少なからず寂しい気持ちになるものです。これまでの関係性を壊すことがないよう、年賀状じまいは慎重に行う必要があることを覚えておきましょう。

年賀状じまいを行ったあとで、あらためて年賀状でつながる大切さを感じることもあります。年賀状じまい後に、年賀状を再開させることももちろん可能です。そのような場合は、再び年賀状のやりとりをお願いする言葉や近況報告を書き添え、年賀状を再開させましょう。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。