お年玉付年賀はがきはいつから始まった?導入の歴史や賞品交換方法を解説

公開日:2023年7月26日
更新日:2023年10月2日

新年の挨拶として、親戚や友人などお世話になった方へ送る年賀状。年賀状のやりとりだけでなく、年賀状についているお年玉くじを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

しかし、なぜ年賀状にはお年玉くじがついているのでしょう。今回は、お年玉付年賀はがきが導入された歴史や、当選した場合の賞品交換方法について解説します。

お年玉付年賀はがきとは?

お年玉付年賀はがきとは、年賀はがきにお年玉くじの抽選番号がついたものです。はがきの表面下部に抽選番号が載っています。

毎年1月中旬に開催される抽選会で、当選を確認することが可能です。賞品は、現金やふるさと小包など年によって変わるので、毎年楽しみにしている方も多いでしょう。

新年の挨拶に加えて、「素敵な賞品が当たるかも!?」というワクワクも相手に届けることができる日本独自のシステムです。

お年玉付年賀はがきの発売日は、毎年11月1日ごろ。郵便局の窓口や特設スペース、コンビニエンスストアなどで購入が可能です。郵便局での年賀状の引き受け開始は毎年12月15日からで、12月25日までに投函すると翌年の元旦に届きます。

一般的な年賀はがきに加えて、人気のディズニーキャラクターがモチーフの年賀はがきも発売されています。ディズニーモチーフの年賀はがきに関しては、料金や用途は通常の年賀はがきと変わりません。お年玉くじの抽選番号もついています。

お年玉付年賀はがきの歴史

お年玉付年賀はがきはいつから始まったのでしょうか。年賀状のはじまりから、現代のお年玉付年賀はがきが発売されるまでの歴史を紹介します。

日本最古の年賀状

現存する日本最古の年賀状は、平安時代後期に藤原明衡によってまとめられた「雲州消息」内にあるといわれています。「雲州消息」内には、新年の挨拶を含む文例がいくつも取り上げられていました。

このころから貴族の間では、手紙によって新年の挨拶を行っていたのではないかと、考えられています。

また同じころ、お世話になった親族や知人宅へ新年の挨拶をして回る「年始回り」という慣習も広まりました。この慣習は広く世間に伝わり、その後大正時代ごろまで続きます。

江戸時代になると、庶民にも手紙のやり取りが広がります。寺小屋の登場により庶民も読み書きができるようになったことで、手紙のやり取りが身近なものになりました。

あわせて、街道の整備とともに、今の宅配便や郵便の先駆けとなる飛脚が登場しました。飛脚の登場も、庶民の手紙のやり取りを後押ししたのです。そんな中、人々の交流関係も広くなっていき、年始の挨拶「年始回り」を手紙で済ませる人も増えていきます。

また、玄関に名刺受けを設置する家も増えてきました。現在のポストのようなもので、不在時に新年のお祝いの言葉を書いた名刺を名刺受けに入れてもらうスタイルも登場します。これがのちの年賀状に繋がったといわれています。

現在の年賀状へ

現在の年賀状のスタイルになったのは、明治時代のことです。1871年に郵便制度が開始されたことで、庶民が気軽に手紙を送れるようになりました。郵便の全国一律料金が採用されたのもこのタイミングです。これを機に、全国に郵便局やポストが設置されていきます。

1873年には郵便はがきが発売され、その後年賀状は大人気に。年賀状を送ることが、お正月の恒例行事となりました。

当時は、「年末の一定期間に年賀はがきをポストに投函すれば、翌年の1月1日に届く」といった制度はまだありません。そのため、多くの人が元日の消印をねらって、年末に年賀状を投函しました。大量の年賀状の対応に郵便局員は手間を取られ、通常の郵便物にも影響を及ぼしたと言われています。

年末に年賀状が集中してしまう対策として、1890年には1月1日〜3日間の集配度数を減らし、1898年には1月1日〜5日に到着する郵便はがきの到着日付印を省略しました。

そして1899年、「年賀郵便物特別取扱」の仕組みが一部の郵便局で開始されました。年末の一定期間に差し出された年賀状を、1月1日に配達するという制度ができ、現在の年賀状のスタイルになったのです。

お年玉付年賀はがきの誕生

お年玉付年賀はがきが初めて発売されたのは1949年12月のことです。年賀はがきにお年玉くじを付けることをを思いついたのは、郵政省ではありません。発案者は、民間人で当時京都に住んでいた林正治さんです。林さんは、大阪心斎橋で用品雑貨の会社を営んでいました。

第二次世界大戦中、年賀状は郵便局での取り扱いが中止されていました。終戦後の1948年、年賀状の取り扱いが8年ぶりに開始されました。しかし戦後の混乱の中、住所が分からない人も多く、年賀状を送る人もあまり多くはいなかったようです。

そんな中、林さんはお年玉付年賀はがきのシステムを思いつきます。年賀状が戦前のように盛んになれば、お互いの消息もわかり、励ましあえる。そこにお年玉くじがつけば、さらに人々の心を前向きにさせるのではないか、と考えたのです。

そして1949年、林さんはお年玉付年賀はがきのアイディアを郵政省に持ち込みます。
林さんのお年玉付年賀はがきの案はすんなり採用されたわけではありません。郵政省の中でも意見が割れました。戦後の混乱した世の中に出すには不謹慎ではないかとの意見もあったのですが、紆余曲折を経て、みごと採用されることになりました。

お年玉くじ抽選会の開催

1949年、最初のお年玉付年賀はがきが発売。初年度のお年玉くじの賞品は、特等がミシンです。当時、ミシンは大半が月賦販売されるような高級品でした。その他は、1等が純毛洋服地、2等が学童用グローブ、3等は学童用コウモリ傘といった日用品が賞品になりました。

戦後のモノのない時代だったので、人々からの人気は上々でした。ちなみに賞品はその後、時代とともに変化していきます。過去の最上位の賞品を一部ご紹介します。

1956年(昭和31年) 電気洗濯機
1969年(昭和44年) 8ミリ撮影機映写機セット
1974年(昭和49年) ラジオ付きカセットテープレコーダー
1983年(昭和58年) カラーテレビ
1984年(昭和59年) 電子レンジ
1989年(昭和64年) 海外旅行券
1996年(平成8年) ワイドテレビ、液晶モニター付ビデオカメラ、電動補助力付自転車

最上位の賞品を見ていくと、常に人々の憧れの品が選ばれていることがわかります。

戦後復興期の日本に明るい希望を

その後、お年玉付年賀はがきは大ヒットを遂げます。新年の挨拶だけでなく、豪華賞品があたるというワクワクも届けられるお年玉付年賀はがき。戦後の人々の復興に向ける思いと、伝統的な日本文化に基づく新年の祝賀の思いが、お年玉付年賀はがきにフィットしたのかもしれません。

お年玉付年賀はがきはその後も売上を伸ばし、お正月の風物詩になりました。年賀状の取り扱い数もそれに伴って増加。1955年頃には戦前のピークの取り扱い数まで到達しました。

戦後、人々が大変な時代だからこそ、お年玉付年賀はがきで明るい前向きな気持ちを届けたい、と考えた林さん。林さんの考え通り、年賀状で人々は繋がりを取り戻し、戦後間もない日本にたくさんの夢を与えました。

現在のお年玉付年賀はがきの賞品内容は?

それでは2023年のお年玉付年賀はがきの賞品内容について紹介します。

2023(令和5)年用お年玉付年賀はがき・年賀切手 賞品
1等賞品 現金30万円または電子マネー等31万円分または2022年発行特殊切手集&現金20万円
2等賞品 ふるさと小包等
3等賞品 お年玉切手シート

1等賞品は、上記の3つの中から選ぶ選択制です。
電子マネーは、Amazonギフトカードやnanaco、WAONなど提携している各種電子マネーから自由に選択し、交換することができます。

2022年特殊切手集は2022年1月〜12月の間に日本郵便が発行した特殊切手各1シートと日本郵政の切手デザイナーが書き下ろしたオリジナルフレーム切手2シートが収録されたお年玉くじ限定の切手集です。

2等賞品のふるさと小包は、全国各地の特産品です。2023年のふるさと小包の一部をご紹介します。

  • 紀州南高梅 はちみつ入「黄金漬」
  • 北海道産ゆめぴりか
  • 狭山茶ギフト3本セット
  • 北海道 鮭三昧
  • 松尾の焼のり
  • 青森リンゴジュース(ストレート)

お米やデザート、梅干しなど全国各地の味を楽しめます。

3等賞品は、2023年の干支にちなんだウサギの切手シートでした。84円と63円のセットでお正月以外にも通年で使いやすいデザインです。

次にそれぞれの、当選確率を見ていきましょう。

1等賞品は100万本に1本、2等賞品は1万本に1本、3等賞品は100本に3本の確率です。100枚年賀状をもらえば、3等賞品の切手シートが3枚当たる計算になります。1等賞品にいたっては100万本に1本しか当たらないので、当たった方はかなり運が良いでしょう。

お年玉付年賀はがきが当選していたら

お年玉付年賀はがきの抽選は、毎年1月中旬に行われます。ご自身に届いた年賀状の当選番号を確認しましょう。当選が確認出来たら、郵便局へ引き換えに行きましょう。

2023年の賞品引き換え期間は、2023年1月16日から同年7月18日まででした。毎年引き換え期間は同じくらいの時期ですが、過ぎてしまうと引き換えができないので注意しましょう。

次に賞品の引き換え方法について確認しましょう。引き換え場所は郵便局の窓口ですが、賞品によって受け取り方が異なります。賞品が切手シートの場合は、郵便局に当選したお年玉付年賀はがきを持参すれば、窓口で交換ができます。なお切手シートはその場で受け取ることができます。

賞品がふるさと小包の場合は、当選した年賀はがきに加えて、受け取る人の身分証明書が必要になります。運転免許証や健康保険証などです。ふるさと小包はその場で受け取ることができず、後日郵送で届きます。

賞品が現金または電子マネーの場合も、当選した年賀はがきと本人確認ができる身分証明書が必要です。こちらもその場では受け取ることができません。

現金の場合は後日、現金書留で自宅に送られます。電子マネーの場合も、後日ギフトIDが簡易書留で届きますので、そちらをもとに電子マネーに交換しましょう。

なお、未使用の年賀状でも当選していれば交換が可能です。書き損じたはがきや未使用のはがきも、当選を確認しておくとよいでしょう。この場合、本人確認書類は必要ありません。

寄付金付お年玉付年賀切手とは?

ここまでお年玉付年賀はがきについて解説してきましたが、年賀切手にお年玉くじが付いたものもあります。

寄付金付お年玉付年賀切手です。お年玉付年賀はがき同様、6桁のくじ番号がついており、抽選も年賀はがきと共通ですが、料金に寄付金が上乗せされます。63円切手の場合は、1枚につき3円の寄付金が含まれます。

寄付金付お年玉付年賀切手を貼って、切手の下に「年賀」と書けば、年賀はがきでなくても年賀状として使用でき、かつお年玉くじにも参加できます。お気に入りのポストカードや通常のはがきも、お年玉付年賀はがきに早変わりです。

ちなみに寄付金は社会福祉や災害、人命救助、青少年の健全な育成、地球保全などに使われています。寄付金付お年玉付年賀切手を使うことで、社会貢献にもつながります。

まとめ

今から70年以上も前に発案されたお年玉付年賀はがき。時代とともに賞品は変化しながらも、人々に夢や希望を与えてきました。現在でも多くの人のお正月の楽しみになっているのではないでしょうか。

しまうまプリントではお年玉付年賀はがきへの印刷が可能です。デザインも豊富で、自分だけのお気に入りの年賀状を作ることができます。
みなさんも新年の挨拶とともに、お世話になった方へワクワクを届けてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

お年玉付年賀はがきの誕生のきっかけは?

お年玉付年賀はがきの発案者は郵政省ではなく、民間人の方でした。
終戦後、年賀状の取り扱いが再開された後、年賀状が盛んになれば励ましあい、さらにお年玉くじで人々を前向きにできるのではないかという思いから誕生しました。

お年玉付年賀はがきの賞品内容はどういったものですか?

2023(令和5)年用では、
1等:現金30万円または電子マネー等31万円分または2022年発行特殊切手集&現金20万円
2等:ふるさと小包など
3等:お年玉切手シート
といった賞品ラインナップとなっていました。

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