引越し・転居を年賀状で報告する際に気をつけたいマナーと例文を紹介
これから引っ越す場合の文例は「新居完成のあかつきにはぜひ遊びにいらしてください」、既に引っ越した場合は「お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」といったメッセージを添えると喜ばれるでしょう。
また、新居の住所がはっきりわかるように記載しましょう。
転職や転勤、結婚・出産やライフスタイルの変化がきっかけで、引越し・転居する方も多くいらっしゃいます。ただでさえ引越しの準備や手続きで慌ただしい中、転居のお知らせまで個別に送るとなると負担を感じる方も多いものです。そのため、年賀状を送るタイミングで新年のご挨拶と併せて引越しの報告を行いたいと考えるのは自然なことです。
年賀状で引越し報告をすることは問題ありませんが、ポイントを押さえておかないと相手に失礼になってしまうこともあります。この記事では、引越し・転居の報告を兼ねた年賀状の作成方法についてご紹介します。「引越したのはずいぶん前だけれど、年賀状に書いてもいい?」「引越し報告はどんな文面がいいの?」など、作成時の疑問についても解説いたしますので、ぜひ参考にしてください。
年賀状で引越しを報告しても良い?
年賀状で引越しの報告をするのはマナー的にも問題ありません。新年の挨拶とともに、近況報告として住所変更を知らせるのは自然な流れです。
年賀状で引越し報告する場合は、新住所をわかりやすく記載し、転居の時期や理由を簡潔に添えるなど、一般的なルールを守ることが大切です。ただし、引越しの時期によっては、年賀状とは別に転居はがきを出した方が良いケースもあります。その際の判断基準や注意点については、後ほど詳しく解説いたします。
引越し報告する場合の年賀状の構成
引越し報告を年賀状に含める場合は、年賀状の基本構成をもとに、引越し報告を盛り込みましょう。
まずは「謹賀新年」「賀正」などの賀詞、続いて新年の挨拶文を書きます。そのあとに「昨年○月に○○へ引越しました」など、引越しの報告を簡潔に入れ、新住所を明記します。最後に「本年もどうぞよろしくお願いいたします」と締めくくりましょう。
転居した時期や引越しの理由を簡単に入れると、相手に状況が伝わりやすくなります。
年賀状で引越し報告するべき相手
引越し報告を年賀状でする相手は、今後も住所を知っておいてほしい方を中心に選びます。親戚や友人、勤務先の上司・同僚のほか、年賀状のやり取りを毎年している相手や日頃から手紙や贈り物などのやりとりをしている方には、必ず新住所を伝えましょう。普段手紙のやり取りがない相手など、新住所を教えなくても問題ない相手には送る必要はありません。
最近では、メールやSNSで引越し報告をする方も増えていますが、目上の方などにはマナーとしてはがきでお知らせした方が良いでしょう。
喪中の場合
引越し報告を兼ねた年賀状を作成しようと考えていたものの、相手や自分の喪中と重なってしまうこともあるでしょう。「喪中の際は年賀状を送らない」ということをご存知の方は多いかと思います。しかし、喪中が重なってしまった場合、どのようにして引越し報告をすればよいのでしょうか。自分が喪中の場合と、相手が喪中の場合についてそれぞれ確認していきましょう。
自分が喪中の場合
自分が喪中の時は、喪中はがきまたは寒中見舞いを送ります。
喪中はがきには、年賀状を出さないことを詫びる旨のみを書くのが一般的なため、引越し報告はせず、新住所を記載するだけにします。
喪中はがきは故人が亡くなった年の11月から12月初旬までに送るようにしましょう。
相手から喪中はがきを受け取った場合
喪中はがきをくれた相手には、年賀状ではなく寒中見舞いに引越しの挨拶を添えて送りましょう。この場合も、松の内明けの1月8日以降に届くように送ります。
文面では、相手の喪に配慮しつつ、近況報告として転居を簡潔に伝えるとよいでしょう。
年賀状で引越し報告して良い時期
年賀状で引越しを報告する場合は、「新しい年を迎えるご挨拶」として、年賀状の引受期間(12月15日~25日)に合わせて送るのが理想です。年内に引越しが完了している場合は、新住所を記載して問題ありません。ただし、引越しの時期によっては、伝え方や表現を工夫する必要があります。
ここでは、引越しのタイミング別に、年賀状でのマナーと書き方のポイントを紹介します。
11月より前に引越す場合
転居の報告は、一般的に引越し後1~2カ月以内に行うのが望ましいとされています。年賀状の投函時期が12月中旬以降であることを考えると、11月以降に引越した場合は、年賀状で新年の挨拶と転居報告を兼ねても問題ありません。
一方、11月より前に引越しが完了している場合は、報告までに期間が空いてしまうため、年賀状とは別に転居はがきを出すのが丁寧です。転居はがきを出しそびれてしまった場合は、年賀状で知らせても失礼にはあたりません。
松の内を過ぎて送る場合
松の内を過ぎて年賀状を出す場合は、寒中見舞いとして送るのがマナーです。寒中見舞いで引越し報告をする場合は、まず「寒中お見舞い申し上げます」といった挨拶を述べ、「転居のご報告を兼ねてご挨拶申し上げます」などと添えると自然です。
寒中見舞いを送る時期は松の内があけてから2月4日(立春)頃までとされています。1月末までには投函するようにしましょう。相手の健康を気づかう言葉や新生活への抱負を添えると、温かみのある印象になります。
年明けに引越す場合
年明けに引越す予定がある場合は、年賀状にその旨を予告する形で記載します。「新年早々○月に○○へ転居予定です」「新住所は以下の通りです」と書くと、相手が住所録を更新しやすくなります。
まだ引越しの日程が確定していない場合は、「近日中に転居いたします」「詳細はあらためてご連絡いたします」といった表現でも構いません。その場合は、転居日や転居先が決まった段階であらためて転居はがきを送り、今後の連絡先を伝えると親切です。
引越し・転居を年賀状で報告する際に注意すべきこと
年賀状で引越し・転居報告をする際、新しい住所さえ書いておけば良いというわけではありません。引越し・転居の報告も大切な報告ではありますが、あくまでも年賀状は新年を祝う挨拶状です。
そのため、引越しを兼ねた年賀状を作成するのには注意すべき点があります。どれも難しいものではありませんので、今回初めて引越し報告を兼ねた年賀状を出す方も、過去に出したことのある方も、今一度確認しましょう。
引越し報告をメインにしない
引越しの報告は大切な連絡事項ですが、年賀状のメインはあくまで新年の挨拶です。引越しの挨拶や新住所の報告などを前面に押し出さず、新年の挨拶が疎かにならないよう注意しましょう。
デザインは新年を意識したものを選び、「謹賀新年」などの賀詞も大きめに配置して、年賀状であることが一目でわかるようにするのがポイントです。
新居の住所をわかりやすく記載する
年賀状では引越し報告がメインであってはならないものの、新住所がわかりにくいと先方に伝わらないおそれがあります。
新年の挨拶と引越し報告は段落を変えるなど、ぱっと見てわかりやすくすると、先方に転居の情報が伝わりやすくなるでしょう。
通常の年賀状の場合、差出人の住所は宛名面に記載する人も多いかもしれません。しかし、年賀状を受け取った際、送り主の名前を確認するだけで、宛名面はあまり読まないという人もいます。そのため、引越し報告を兼ねた年賀状の場合、差出人住所は宛名面ではなくデザイン面に記載するとわかりやすいでしょう。
郵便局の『転居・転送サービス』を利用する
引越しをして転居はがきを送っていたとしても、相手方が誤って旧住所のほうに年賀状を送ってしまうというケースも少なくありません。そのような状況に備え、郵便局の『転居・転送サービス』は積極的に利用しましょう。
『転居・転送サービス』は、郵便局へ転居届を提出しておくことで、1年間旧住所に届いた郵便物を新住所に無料で転送してくれるサービスです。転居届は郵便局の窓口はもちろん、ポスト投函・インターネット等で提出可能です。自分の都合の良い方法で提出しておきましょう。なお、転居届提出の際には、本人確認が必要です。
難しい手続きではないため、後回しにせず、速やかに手続きしておきましょう。
【シチュエーション別】年賀状に載せる引越し報告の文例集
一口に引越し報告といっても、これから引越す場合と既に引越した場合、さらにビジネスとプライベートでは文面が大きく異なります。
ここでは7つのシチュエーション別に、引越し報告を兼ねた年賀状の文例をまとめました。自身のシチュエーションに合ったものを参考にしてください。
これから引越す場合の文例
これから引越す予定の場合は、転居の時期と新住所を年賀状に明記しておくと親切です。まだ正確な日付が決まっていない場合は、「○月頃」や「○月下旬」などの表現で十分です。
引越し予定が少し先であっても、年賀状でひとこと添えることで住所録を早めに更新してもらえるため、相手への配慮にもなります。
「○月に新居が完成し下記住所に転居する予定です
お近くにお越しの際はぜひ遊びにいらしてください」
「○月下旬に○○市へ引越すことになりました
新しい土地でもどうぞ変わらぬお付き合いをお願いいたします」
「新年早々 ○月に下記住所へ転居いたします
これからもよろしくお願いいたします」
既に引越した場合の文例
すでに引越しを済ませている場合は、年賀状で新住所を報告しても問題ありません。一般的には転居後1か月以内に報告するのがマナーですが、最近は年賀状でまとめて知らせる方も増えています。ただし、相手が旧住所に年賀状を送ってしまう可能性があるため、引越し後は郵便局の「転居・転送サービス」に申し込んでおくと安心です。
「新居購入にともない下記住所へ転居いたしました
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」
「子どもの入学を機に下記住所へ引越しました
これからもどうぞよろしくお願いいたします」
「昨年○月に○○市へ転居いたしました
新しい環境でも心新たに頑張っております」
転勤による引越しの場合の文例
転勤にともなう引越しの場合、異動先の支社名や営業所名もあわせて記載するとよいでしょう。以前の職場の方に年賀状を出す場合は、送別会の御礼などを添えるとより丁寧な印象になります。
「○月に××支社勤務となり 左記住所に転居いたしました
今後とも変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます」
「昨年は送別会を開催していただきありがとうございました
下記住所に転居し 新しい職場で精進しております」
単身赴任による引越しの場合の文例
単身赴任で引越しする場合は、引越しの理由を併記したほうが親切です。転勤の場合同様、異動先の支社名や営業所名もあわせて記載するとよいでしょう。
「このたび 転勤に伴い下記住所に転居いたしました
子どもの教育などの事情もあり 家族を○○○に残して単身赴任をすることになりました
お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りください」
目上の方に引越し報告する場合の文例
上司や恩師など、目上の方に引越し報告を年賀状で伝える際は、新年のご挨拶のあとに「私事で恐縮ですが」など前置きを添えてから転居の報告を入れると、控えめな印象になります。住所は宛名面・裏面に明記しておくと丁寧です。
「謹んで新年のご挨拶を申し上げます 私事で恐縮ですが 昨年○月に下記住所へ転居いたしました
今後とも変わらぬご厚誼を賜りますようお願い申し上げます」
「新春のお慶びを申し上げます 私事ながら○月に新居へ移りました
今後ともご指導ご鞭撻のほど何卒よろしくお願いいたします」
結婚による引越しの場合の文例
結婚に伴う引越しの報告は、単なる住所変更のお知らせにとどまらず、今後も良い関係を続けていきたいという気持ちを伝える大切な役割を持ちます。贈る相手との関係性や状況に合わせ、丁寧で明るい文面にしましょう。
「このたび結婚をし 左記住所にて新生活をスタートさせました
お近くにお越しの際にはぜひ遊びにいらしてください」
離婚による引越しの場合の文例
新年のおめでたい日に届くものなので、なるべく「離婚」という言葉を使わずに明るく前向きな挨拶をしましょう。
心機一転や再スタートという言葉を使うと、相手に気を遣わせることのない文面になります。
「旧姓に戻り 下記住所にて心機一転再スタートいたします
今後ともよろしくお願いいたします」
引越し報告を兼ねた年賀状におすすめの写真・デザイン
ここからは引越し報告を兼ねた、年賀状におすすめの写真やデザインについてご紹介します。
1. 新居の写真と一緒に家族の写真を載せる
新居だけでなく、家族が一緒に写っている写真を掲載すると一気に年賀状らしくなるでしょう。家の前で撮影した写真をデザイン面に大きく載せたり、複数枚の写真を入れられるテンプレートを使用し、新居・子ども・家族全員など数枚の写真を載せたりするのもおすすめです。
2. 新居周辺の写真を載せる
個人情報なので新居の外観や内観がわかる写真を年賀状に載せたくない…という場合は、新居周辺で撮影した写真を掲載しましょう。近くの公園や観光スポットなどを背景にした写真を載せれば、どのような場所に引越したのか、おおよその雰囲気を感じ取ってもらえます。
注意すべき点としては「年賀状に使用する写真に、他人の顔や自分以外の個人情報が載っていないか」です。身内に送る年賀状だから大丈夫だと思っていても、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。新居周辺の写真を載せる際は、他人の情報がわかるような写真は避けるのがベターです。
3. 引越しを連想させるデザインにする
写真を使用しない場合は、引越しを連想させるデザイン・イラストなどを選ぶのも良いでしょう。しかし、なかなか年賀状と引越しを両立するようなデザインが見当たらないと悩むこともあるかもしれません。
しまうまプリントでは、カテゴリから「引越し報告」を選択すると、引越しにぴったりな年賀状デザインが選べます。
公式HP上はもちろん、スマホアプリからでも簡単に年賀状が作成できますので、この機会にぜひ利用してみてはいかがでしょうか。
オフィスや店舗の移転を年賀状で報告する場合
ビジネスにおいては、オフィスや店舗の移転を年賀状で報告するケースも少なくありません。
オフィスや店舗の移転の場合も、基本的には移転の1〜2ヵ月前に移転の挨拶状を送りますが、移転の時期によっては年賀状で報告をすることもあるでしょう。
このような場合、何に気を付けて年賀状を作成したらいいのか、ポイントと例文をご紹介します。
移転報告する場合の年賀状の構成
オフィスや店舗の移転を年賀状で伝える際は、以下の項目を正確に記載しましょう。
・賀詞
・日ごろのご愛顧のお礼
・移転先住所
・移転先電話番号
・移転先での営業開始日
・新住所での営業再開予定日
移転の報告とはいえあくまで年賀状ですので、新年の挨拶・賀詞は必須です。ビジネスでの賀詞は「謹賀新春」「恭賀新年」など4文字賀詞を使用するようにしましょう。また「あけましておめでとうございます」といった文章の賀詞も使用できます。
新年早々トラブルにならないためにも、移転先住所や電話番号・営業開始日など移転に関わる情報は、正確にわかりやすく記載するようにしましょう。
特に店舗移転の場合、移転先の地図も載せておくと親切です。最後に、お客様や取引先に向けて、今後の抱負や今後のお付き合いのお願いなど一言メッセージを添えると良いでしょう。
ビジネスの場合であっても、年賀状では「、」や「。」など句読点を使用しないのがマナーです。上手に空白や改行を使って年賀状を作成しましょう。
オフィスや店舗の移転を報告する年賀状で使える例文:1
旧年中はご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます
さて この度 弊社は〇月〇日より下記新住所に移転する運びとなりましたので 謹んでご案内申し上げます
新しい年を迎え 新たな環境でさらに心配りあるサービスを提供できるよう 従業員一同一層の努力をいたします
本年も変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます
オフィスや店舗の移転を報告する年賀状で使える例文:2
旧年中は格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます
さて この度〇〇〇〇(会社名・店舗名)は 〇月〇日より下記住所に移転することをご報告させていただきます
これを機に従業員一同さらに専心努力いたし さらに皆様のご愛顧を得られるよう邁進いたします
本年も変わらぬお付き合いをどうぞよろしくお願い申し上げます
まとめ
長年年賀状を出している方でも、引越し・転居報告を兼ねた年賀状は作成したことがないという方も多いかもしれません。
年賀状はあくまで新年を祝い、お世話になった方への感謝の気持ちを伝えるものです。新年の挨拶をおろそかにせず、引越し報告をする際のマナーについてもおさえておきましょう。
作成前にきちんとマナーやポイントを押さえておけばイレギュラーな年賀状作成も難しくはありません。しまうまプリントでは転居報告に適した年賀状デザインも豊富にご用意しておりますので、ぜひご活用ください。
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よくあるご質問
引越し報告を兼ねた年賀状に書く項目を教えてください
・賀詞と新年のご挨拶
・転居の報告
・転居先の住所
・転居の時期
・転居の理由
を書くのがおすすめです。
こちらの記事内では、引越し報告の年賀状の書き方・シチュエーション別の引越し報告年賀状の文例・引越しと喪中が重なった場合の対応など詳しくご紹介しています。
引越し報告に載せる文例はどんなものがいいですか?
・これから引っ越す場合の文例
「○月に新居が完成し下記に転居する予定です 新居完成のあかつきにはぜひ遊びにいらしてください」
・既に引越した場合の文例
「新居購入にともない下記住所に転居しました お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください」
など入れてみてはいかがでしょうか。
他にもこちらで文例をご紹介していますのでご覧ください。