年賀状の宛名の書き方|相手別、宛名書きのルールと挨拶文の選び方

公開日:2022年10月3日
更新日:2025年7月29日

大切な方への年賀状を送る際、気持ちを込めて書いたとしても宛名で敬称や連名の書き方などを間違ってしまうと失礼にあたります。特に名前の漢字を間違えてしまう事は一番注意したいところですね。
そこで今回は、意外と見落としがちな年賀状の宛名の書き方や挨拶文の選び方、ルールについてご説明します。

実際に宛名を書き始める前に、相手に合わせた正しい宛名の書き方を再確認しましょう。

年賀状印刷はしまうまプリント

押さえておきたい宛名の基本的なルール

日本語は本来縦書きが正式な書き方なので、年賀状も縦書きが望ましいです。しかし、最近ではカジュアルな年賀状も増え、横書きのデザインも多く見られるようになってきました。
そのため、裏面が横書きのデザインであれば、宛名も横書きでも構いません。横書きの場合は、算用数字を用いるようにします。

親戚の方など、目上の方に年賀状を出される方も多いでしょう。宛名が横書きであると、目上の方には失礼にあたることもあるため、縦書きで記載するようにしましょう。ビジネスシーンでの年賀状は、縦書きが望ましいでしょう。縦書きの場合は、漢数字を用います。

ボールペンはNG?手書きで気を付けたいポイントと筆記用具の選び方

宛名面を書く場合、黒のボールペンの使用は相手との関係性によっては問題ないこともあります。しかし、ボールペンが"事務的な場面での筆記用具"として捉えられていることもあり、目上の方や上司の方に送る新年の挨拶状としてはふさわしくないと不快に感じられる方もいます。

送る相手の名前は、宛名面の中でも大きく書くところです。手書きをする場合は、太い字が書ける筆記用具が適しています。どの筆記用具を使用するにしても、手書きで書かれた年賀状は気持ちが込められている印象を受けます。受け取った相手に喜ばれる気配りができると良いですね。

私製はがきで年賀状を送りたい場合

私製はがきを使用する場合は、切手を貼った下に「年賀」と朱書きで書くようにしましょう。朱書きとは、お年玉付郵便はがきの切手の下に赤い字で書かれている「年賀」の文字のことを言います。
書き忘れてしまうと郵便局員の方が通常の郵便物と認識し、年内に宛先の住所へ届けられてしまうので注意が必要です。

年賀状の宛名を正しく書く上でのマナーや注意点

ここまでは、年賀状の宛名のルールについてご紹介しました。さまざまなマナーを踏まえて、次は「住所の書き方」「宛名が一人だけの場合の書き方」「連名の場合の書き方」「敬称の種類とその書き方」「差出人」について説明していきます。

住所の書き方

住所の書き方を順に沿って説明していきます。

①住所の書き出し位置は、郵便番号の右端に揃え宛名と同じ位置から書き始めるようにしましょう。

②番地や部屋番号には縦書きのため、漢数字を使用します。

③ビルやマンションなどの建物名がある場合は2行目に、1行目よりも1文字下げた位置から書くようにするとバランスがとれます。

建物名は、たとえ相手が仲の良い間柄でも省略せずに記載するようにしましょう。
都道府県名は、郵便番号を記載していれば省略していても間違いではありませんが、全て記載するのが正式なマナーとされています。

宛名が一人だけの場合

宛名が一人だけの場合の書き方を順を追って説明します。

①郵便番号の左から2番目の数字を目安にして、その下に1文字分あけて大きめの文字ではっきりと記入します。

②姓と名の間も一文字あけ、更に1文字分あけて相手に合わせた敬称を記入します。
宛名を書く際に注意が必要なのは、"名前を間違えないようにする"ことです。
名字には旧字体も含まれる事がよくありますので、きちんと確認してから書くようにしましょう。
相手にとって自分の名前なので、間違っている場合は一番に目がいく箇所です。悪気がなくとも相手には失礼だと取られるので、十分に注意しましょう。

連名の場合の書き方

連名の場合の書き方を順を追って説明します。

①宛名を連記する場合は、一人ずつ全員に敬称を付けます。

②家族宛で姓(名字)が同じ場合は、2人目以降は姓を省略し、名のみを書きます。

③家族全員に宛てるなど人数が多く年賀状に書ききれない場合や、家族の名前が不明な場合は、世帯主の方のみ記載し、横に「ご家族御一同様」としても大丈夫です。

ここで注意が必要なのは、取引先の会社でお世話になった方への年賀状です。送りたい方が複数人いる場合、所属部署が異なる場合はもちろんのこと、同じ部署であっても、1枚ずつ年賀状を送るのがマナーとなっています。

詳しくはこの後の章に出てくる「ビジネスシーンでの宛名の書き方」を参照してください。

二世帯で暮らしている家庭に年賀状を出す場合も、連名で送っても失礼にはあたりませんが、年賀状の管理方法などを考えると、分けて出すのが良いでしょう。

おもて面(個人)

宛名書きのルール おもて面(個人)

差出人

年賀はがきの表面や裏面に差出人の情報を書いていきます。差出人の情報は、郵便番号、住所、氏名を必ず記載するようにしましょう。その他に、電話番号やメールアドレスを記載しても良いです。表面に記載する場合は、郵便番号欄の幅に収まるように少し小さめに書きましょう。

差出人の情報は表面と裏面どちらに記載しても大丈夫ですが、最近の年賀状デザインサービスではデザイン面に入れるのが主流となっています。表面には相手の情報、裏面には家族の写真をいれつつ、自分の情報を書くことで、よりすっきりと家族の情報がわかる年賀状になるでしょう。
なお、新しく家族が増えた場合は、名前にふりがなを追記しておくと親切です。

ビジネスシーンでの宛名の書き方

ビジネスシーンで宛名を書く時は、送り先の敬称の種類や役職の書き方、文字の配置や大きさなど知っておいた方が良いマナーをいくつかご紹介します。

会社名

  • 住所の文字よりひと回り小さい文字で、住所より少し下げて記載します。
  • 会社名の㈱や㈲は略さず、株式会社や有限会社と正しく表記します。

敬称の種類とその書き方

宛先をどこにするのかによって敬称の種類や書き方が異なります。特にビジネスシーンでは企業宛に年賀状を送る場合が多いため、具体的な使用方法を解説します。

①会社・部署宛の場合は「御中」を使う
宛先が会社の場合には、「御中」を使用します。
例:「○○株式会社 ○○部 御中」

②企業内の個人に向けて出す場合は「様」を使う
取引先に所属する個人に年賀状を出す場合は、「様」を使用します。
例:「○○株式会社 ○○部 ○○○○ 様」

③肩書きがある相手へ出す場合は個人名の前に肩書きを入れる
代表取締役、部長などのように肩書きがある相手に年賀状を出す場合は、個人名に「様」をつけた上でその前に肩書を入れます。
例:「○○会社 代表取締役 ○○○○ 様」、「○○株式会社 ○○部 部長 ○○○○ 様」

おもて面(法人)

宛名書きのルール おもて面 (法人)

年賀状の宛名は手書きがベスト?

自分の字に自信がなかったり、枚数が多くて大変な場合に宛名を印刷で済ますことができるのはとても便利ですよね。自分で印刷する場合にはExcelやWord、宛名印刷ソフトを利用する場合が多いでしょう。

そこで気を付けたいのが使用するフォントや印刷のズレです。フォントは明朝体など毛筆系のものを使用するのがおすすめです。郵便番号の枠から数字がはみ出ないように細かな印刷時の設定をしてから印刷するとミスが防げます。

それでも、パソコンに慣れていなかったり、印刷機が動かなかったり、インクが無いなどのトラブルに見舞われる場合もあります。そこで便利なのが宛名印刷サービスです。様々なサービスがありますが、しまうまプリントでは宛名印刷が無料です。便利なうえ、無料なのはとてもお得ですよね。

年賀状の挨拶文の書き方

年賀状は宛先の書き方だけではなく、正しい挨拶文を送ることも大切です。普段何気なく使っている「賀正」や「謹賀新年」も実は送る相手によって使い分けられています。よく似た言葉にもそれぞれ細かい意味や使い方の違いがあり、書き方にも注意すべきマナーがあります。

年賀状の挨拶文は、画像のようにはがき裏面の右側から「賀詞」「お礼・お祈り・お願い」「(表面に書かない場合)差出人」で構成されています。

挨拶文の基本的な構成や言葉選び、そして書き方のポイントについて解説します。

賀詞の意味と使い方

賀詞とは、祝いの言葉や祝詞のことを指します。一般的には、「謹賀新年」「迎春」「賀正」などが使われる場合が多いです。

しかし、賀詞は送る相手によって使い分けが必要です。その中でも「寿」「賀正」など漢字1文字や2文字の賀詞を目上の方や上司に使うことは失礼とされています。ここでは送る相手ごとにふさわしい賀詞をいくつか紹介します。

ビジネスシーンや目上の方に使う賀詞

  • 謹賀新年
  • 恭賀新年
  • 謹んで新年のお慶びを申し上げます
  • 謹んで新春の寿ぎを申し上げます
  • 明けましておめでとうございます

友人などに使う賀詞

  • 謹賀新年
  • 迎春
  • 賀正
  • 寿
  • 明けましておめでとうございます

入院中などで「おめでとう」を使いづらい場合に使う賀詞

  • 謹んで年始のご挨拶を申し上げます
  • 謹んで年頭のご挨拶を申し上げます
  • 謹んで初春のご挨拶を申し上げます
  • 衷心よりお見舞い申し上げます

寒中見舞いで送るのもいいと思います。

お礼・お祈り・お願いの言葉

賀詞に続いて、先方へのお礼やお祈り、お願いの文章を書いていきます。まず、日ごろからお世話になっていることへの感謝の気持ちや、無事に新年を迎えられたことに対する感謝の気持ちを書いていきます。

例:旧年中は大変お世話になりました
続けて、新年も変わらずにお付き合いいただく気持ちや、指導をお願いする言葉を書いていきます。

例:本年も変わらぬ付き合いのほどお願い申し上げます。
最後に相手の幸福を願う気持ちや、発展を祈る言葉を書いていきます。

例:皆様のご多幸とご健勝を心よりお祈り申し上げます。

差出人

先ほど、年賀状印刷サービスでは裏面に差出人を記載するのが主流であるとお話ししました。そのため、最後に自分の住所や家族の名前、必要であれば電話番号やメールアドレスなども書いていきます。子どもの名前の横に括弧書きで年齢が書いてあると成長も伝えられて良いですね。

日付

  • 令和●年 元旦
  • 202●年 元旦

ポイント!

縦書きの場合は、「令和八年 元旦」といった漢数字を用います。
賀詞やイラストに「元旦」が入っている場合は重複になるので書かないようにします。
また、一月一日を過ぎて年賀状を出す場合や元旦に届かないことが明確な場合は、「元旦」とは書かず「一月」や「正月」などを用います。

新年を祝う言葉の例

一般的に新年を祝う言葉は、新年の祝意、前年お世話になったお礼、本年の抱負などを伝えるものです。

送り先別文例集

ここまで、送る相手によって賀詞や文章の選び方、気を付けておきたいポイントなどを解説しました。
次にビジネスやプライベートなど、送る相手別にまとめた新年にふさわしい挨拶の文例をいくつか紹介します。

ビジネスシーンで送る年賀状の文例

謹賀新年
旧年中は格別のご厚情を賜り深く御礼申し上げます
貴社の益々のご発展を祈念しますとともに
本年も変わらぬご厚誼のほど何卒よろしくお願い申し上げます

謹んで新春のお慶びを申し上げます
本年もサービス向上に社員一同より一層尽力してまいる所存です
本年も変わらぬお引き立ての程お願い申し上げます

明けましておめでとうございます
旧年中は誠にお世話になりました
貴社のますますのご隆盛を心よりお祈り申し上げます
本年も何卒よろしくお願い申し上げます

両親や目上の親戚へ送る文例

明けましておめでとうございます
ご無沙汰しておりますがお元気ですか
お身体に気をつけてお過ごしください

新春のお慶びを申し上げます
旧年中は大変お世話になりました
おかげさまで晴れやかな新年を迎えることができました
本年もどうぞよろしくお願いいたします

恭賀新年
新年いかがお過ごしですか
皆様のご多幸とご健勝を心よりお祈りいたします
今年もよろしくお願いします

恩師や先輩へ送る文例

恭賀新年
旧年はご高配にあずかりありがとうございました
今年も引き続きご指導ご鞭撻のほど よろしくお願い申し上げます

明けましておめでとうございます
在学中は先生のおかげでとても楽しい学校生活を送ることができました
またお会いできる日を楽しみにしております

謹賀新春
旧年中はご指導頂きありがとうございました
本年もご期待に添えるよう精一杯努めさせていただきます
今後ともご指導よろしくお願いいたします

友人や同僚に送る文例

明けましておめでとうございます
今年もますます良い1年になりますように

迎春
いつもお力添えいただきありがとうございます
今年がお互いにとって良い年となりますように

賀正
お変わりありませんか
今年は皆で集まりたいですね
○○さんにとって充実した一年となりますように

後輩に送る文例

寿
いつも○○さんの仕事への姿勢に感銘を受けています
今年も一緒に精進して参りましょう

初春
いつもサポートしてくださり感謝しております
今年もよろしくお願いいたします

明けましておめでとうございます
昨年は〇〇のプロジェクトのご尽力ありがとうございました
今年も活躍を期待しています

何らかの事情があっておめでたい言葉が使いづらい時の文例

衷心よりお見舞い申し上げます
今年が希望あふれる一年になりますよう祈念しております

謹んで年始のご挨拶を申し上げます
いかがお過ごしでしょうか
一日も早く落ち着いた生活を取り戻せますよう
心よりお祈り申し上げます

年賀状を書く上で気を付けたい5つのポイント

年賀状を書くにあたって、いくつか気を付けなければならないポイントを5つにまとめてご紹介します。

①句読点は使用しない

句読点は"おめでたいことに区切りをつける"という意味合いを持たせてしまうので、縁起が良くないとされています。句読点を避けることで、相手に敬意を払うことにも繋がります。

②「!」や「?」などの感嘆符は使わない

感嘆符を使用することでカジュアルな印象を持たれてしまいます。親しい人への年賀状であれば大丈夫ですが、目上の方には避けましょう。

③忌み言葉は使わない

忌み言葉とは「去・戻・別・離・消」などネガティブな意味合いを持つ言葉のことです。意味合いの通り縁起が悪いものとされるため、使用しないようにしましょう。

④写真年賀状は相手を選んで書く

写真年賀状は近況報告ができるので親しい間柄であれば構いませんが、目上の方や上司には相応しくないとされています。プライベートでの関わりがない目上の方には、写真入りの年賀状は避けるのが無難でしょう。

⑤賀詞の重複は避ける

イラストやデザインに取り込まれている場合があります。また、「新年明けましておめでとうございます」も1つの文章内で「新年」と「明けまして」が重複しています。
「新年おめでとうございます」とするか「明けましておめでとうございます」を用いましょう。

うら面

年賀状の書き方 うら面

まとめ

今回は、相手に合わせた正しい宛名の書き方について紹介しました。
敬称の書き方、漢字の確認や連名の場合の書き方など知っておくと、相手に失礼のない丁寧な年賀状を送ることができます。

書き方だけでなく、宛名を手書きする場合は書く位置と使用する筆記用具にも注意しましょう。手書きの年賀状は、書き手の気持ちが伝わりやすいので受け取る側にとっては嬉しいものです。

一方で、送る側にとっては自分の文字を書くことへの苦手意識があったり、毎年数多くの年賀状を送る場合、すべて手書きだと膨大な時間と手間がかかってしまうので悩ましいものです。その場合は、デザイン画からまるっとお任せできるしまうまプリントの年賀状印刷がおすすめです。

しまうまプリントは宛先一人ひとりに個別のメッセージが入れられるなど、充実した機能を取り揃えています。個人・家庭向けだけでなくビジネス向け年賀状デザインも多数ご用意しております。送る側も送られる側も気持ちよく新年のご挨拶ができるよう、丁寧な心配りをしたいものですね。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

年賀状の宛名の書き方のルールはどのようなものがありますか?

表面(宛名)のルールでは、「基本的には縦書きで書く」「会社宛てに送る場合は株式会社や有限会社は略さない」「ご家族に年賀状を送る場合の連名は代表者にだけ名字を書く」などといったものがあります。

こちらの記事内では、画像付きでわかりやすくご説明しています。

新年を祝う言葉はどんなものがありますか?

賀詞の例では、「謹賀新年」「恭賀新年」「新春」「新春のお慶びを申し上げます」「明けましておめでとうございます」などあります。

こちらの記事内では、ビジネス年賀のおすすめの賀詞、おめでたい言葉が使いづらいときの賀詞、旧年中お世話になった方へのお礼のメッセージなどもご紹介しています。