年賀状は海外にも送れる?文化の違いや宛名の書き方、英語の文例をご紹介

公開日:2023年8月17日
更新日:2023年10月6日

年賀状は、日頃からお世話になっている大切な方へ感謝の意を表し、新年を祝う言葉とともに変わらぬ付き合いをお願いする挨拶状です。

大切な相手は、必ずしも日本国内にいるとは限りません。海外赴任や留学などで、家族や友人が海外に住んでいる場合もあるでしょう。また、近年のグローバル化により、日本以外の国に友人がいる方も少なくありません。

では、国内に送る年賀状と海外に送る年賀状では、どのような違いがあるのでしょうか。

この記事では、海外との文化の違いを解説するとともに、海外に送る年賀状の準備方法や書き方、年賀状で使える英語の文例について紹介します。

年賀状文化は海外にもある?

それぞれの国や地域ごとに、異なった文化が根付いてます。年賀状は日本の伝統文化としておなじみですが、海外にも年賀状文化はあるのでしょうか。

ここでは、海外の年賀状文化について解説します。

欧米圏

欧米圏には、日本の年賀状のような元旦に挨拶状を送り合う文化はありません。しかし、クリスマスカードを送り合うといった、年賀状と似たような文化があります。

クリスマスカードとは、クリスマスシーズンに家族や友人などに送るカードです。アメリカでは、11月の第4木曜日の感謝祭からクリスマスまでに届くようにクリスマスカードを送ります。

年賀状は、元旦から松の内(1月7日)までに相手に届けるのがマナーですが、クリスマスカードは部屋に飾って楽しむ文化があるため、なるべく早く送った方が相手に喜ばれます。

アジア圏

中国や台湾、韓国など、アジア圏では旧正月を祝う文化があります。

たとえば、中国や台湾では春節と呼ばれる旧暦の正月を盛大にお祝いします。春節は旧暦に基づくため、1月1日のように特定の日ではなく、毎年日付が異なります。通常、1月の下旬から2月の中旬の間です。

日本ほど盛んではありませんが、中国や台湾にも旧正月にカードを送り合う文化があります。春節のメインカラーが赤色であることから、旧正月に送り合うカードも赤色を使用したデザインが喜ばれるようです。

イスラム圏

イスラム圏では、ヒジュラ暦(イスラム暦)に基づいて、宗教関係の年間行事を行います。ヒジュラ暦の最初の月「ムハッラム」が新年の始まりとされていますが、神聖な月として自発的に断食を行う信徒もおり、日本のように新年を盛大に祝う慣習はないようです。

イスラム圏の大きなお祝い事には、断食明けのお祭り(イド・アル・フィトル)と、犠牲祭(イード・アル・アドハー)があります。モスクへ礼拝にでかけたり、家族とごちそうを食べたりしてお祝いをしますが、年賀状のようにカードを送り合う文化はありません。

海外に送る年賀状の準備

言語や通貨など、文化が異なる海外へ年賀状を送る場合、はがきや料金に違いはあるのでしょうか。

年賀状を書き始める前に、まずは海外に送る年賀状の準備方法について確認しておきましょう。

はがきのサイズ

海外へ送る際のはがきのサイズは、長辺が14〜23.5cm、短辺が9〜12cm、長辺が短辺の1.4倍以上であることが定められています。

日本国内で使われている通常はがきや年賀はがきのサイズは、長辺14.8cm、短辺10cmです。そのため、日本国内で使用している年賀はがきは、海外に送る年賀状としても使用することができます。

料金は一律70円

海外へ送る郵便物の送料は、日本国内に送る郵便物と比べて高いといったイメージがある方も多いでしょう。しかし、海外に送るはがきの料金は70円と、日本国内に送る年賀状と大きな差はありません。

世界各国の共通料金なので、日本の近隣国である韓国でも、日本から見て地球の裏側に位置するブラジルでも、70円で年賀状が送れます。

郵便局で常時販売されている通常はがきは63円です。つまり、通常はがきを使用する場合は、7円分の切手を貼るだけで海外に送ることができるということです。

お年玉付年賀はがきは使える?

海外へ送る年賀状にも、お年玉付年賀はがきを使用できます。お年玉付年賀はがきでも、7円分の切手を貼れば海外へ発送できます。お年玉くじの部分や年賀の文字を消す必要はありません。

以前は、お年玉付年賀はがきが海外での禁制品に当たるとし、没収や返送されることがありましたが、現在は問題なく海外に発送されています。

ただし、届け先の情勢によっては状況が変化する場合もあるため、発送前には郵便局窓口や郵便局ホームページで確認しておきましょう。

私製はがきや絵はがきもOK

私製はがきや絵はがきでも、長辺が14〜23.5cm、短辺が9〜12cm、長辺が短辺の1.4倍以上の条件を満たしていれば、70円分の切手を貼って、海外に送ることができます。

私製はがきや絵はがきを使用する場合は、国際郵便であることがわかるよう、黒いペンまたは青いペンで「AIR MAIL」と記載します。

裏全面にデザインがある絵はがきの場合、宛名面に宛名とメッセージの両方を書きましょう。右半分に宛名、左半分にメッセージと分けて書く方法が一般的です。

宛先の氏名や住所が読み取りづらい場合、正しく配達されない可能性があるため、宛先の氏名や住所はなるべくはっきりと丁寧に書きましょう。

海外に送る年賀状の書き方

宛名面の書き方は、日本国内に送る年賀状と海外に送る年賀状で大きく異なります。正しく記載ができていなければ、相手に届かない可能性もあるため注意が必要です。

使用する言語や年賀状の向き、住所を書く順番など、海外に送る年賀状の書き方について解説します。

2020年(令和2年)年賀状の文例集

宛名は送り先の言語

海外に送る年賀状の宛名は英語やフランス語など、送り先の現地で通用している言語で記載します。

送り先によっては、アラビア語やロシア語のように正しく文字を書くことが難しい場合や、現地で使用されている言語がわからない場合もあるでしょう。

無理をして送り先の言語で宛名を書いたとしても、万が一間違っていたら届かない恐れもあります。どの言語を使用すべきか迷った場合は、英語表記にするとよいでしょう。

はがきは横向き

海外へ送る年賀状の場合、はがきは宛名面を横向きにして使用します。宛名面の上部の空白に「POST CARD」、左下に「AIR MAIL」と書き加え、国際郵便であることを明記しましょう。

日本国内に送る年賀状の場合は、裏面で横書きテキストを使用している場合を除き、基本的には宛名面を縦向きにして使用します。
国際郵便と国内郵便では向きが異なりますので注意しましょう。

左上に差出人の氏名と住所

宛名面の左上には、差出人の氏名と住所を書きましょう。

名前の前には、「〜から」を意味する「FROM」を書き込むことで、差出人の氏名であることがわかりやすくなります。

日本国内に送る郵便は、県や市などの大きな区分から小さな区分の順に書きますが、英語の場合は、部屋番号や番地など、小さな区分から大きな区分の順に書きます。日本語と英語では、住所を書く順序が逆になることを覚えておきましょう。
ただし、番地の順番はそのままです。たとえば、「1丁目2番地3号」の場合は、英語でも「1-2-3」と表記します。「3-2-1」のように、番地まで逆に記載しないように注意しましょう。

住所の最後には、大文字で国名を記載することも必要です。日本であれば「japan」ではなく「JAPAN」と記載しましょう。

右下に受取人の氏名と住所

受取人の氏名と住所は、宛名面の右下に書きます。名前の前には「〜へ」を意味する「TO」と敬称を付けましょう。

受取人の氏名と住所の書き方は、差出人の書き方と同じ手順です。受取人の住所や氏名は、情報は、正しく配達するための最も重要な情報であるため、間違いのないよう慎重に書く必要があります。

送付先であることを強調するため、差出人の氏名と住所よりも、受取人の氏名と住所をやや大きめに書くとよいでしょう。

英語の敬称

年賀状の宛名を書く場合、名前の後に敬称を付けるのがマナーです。

日本語の場合、受取人が男性でも女性でも「様」と表記しますが、英語表記では性別によって敬称が変化します。

男性の場合、未婚・既婚問わずに「Mr.」を付けます。ただし、女性の場合は、未婚・既婚によって敬称が変わるため注意が必要です。既婚女性の場合は「Mrs.」、未婚女性の場合は「Miss」を付けます。相手が未婚か既婚かわからない場合には「Ms.」を使用しましょう。

敬称は相手への敬意を示す大切な表現のため、間違った表記は失礼にあたります。迷った場合は、男性には「Mr.」、女性には未婚か既婚を問わない「Ms.」を使うとよいでしょう。

年賀状を海外へ送る方法

宛名面を正しく書き終えたら、あとは年賀状を発送するだけです。では、年賀状を海外へ送る場合は、どうすればよいのでしょうか。

ここでは、年賀状を海外へ送る方法を解説します。

ポスト投函でOK

海外に送る場合でも、特別な手続きは不要です。はがきのサイズや料金が正しければ、郵便ポストに投函するだけで海外に送ることができます。

年賀状の引き受け期間中は、ポストの投入口が「年賀状専用」と「通常の郵便物用」にわかれています。海外に送る年賀状は、年賀特別郵便の取り扱い対象外であるため、「通常の郵便物用」の投入口に入れるようにしましょう。

はじめて海外へ年賀状を送る場合や宛名の書き方や料金などに不安がある場合は、郵便局の窓口から発送すると安心です。

いつ届く?

年賀状を元旦に届けてくれるのは日本国内だけです。年賀はがきを使っていたとしても、送り先が海外の場合は通常の郵便物と同じ扱いになることを覚えておきましょう。

国際郵便の配達日数は3日〜14日程度です。

たとえば、東京から海外へ年賀状を出した場合、シンガポールなら3日で到着しますが、アメリカのサンフランシスコであれば8日程度かかります。配送日数は、発送元や送り先によって異なるため、郵便局のホームページで確認するとよいでしょう。

現在、各国への航空便の減便等が継続していることから、国際郵便物の配達に遅延が生じる恐れもあります。海外への年賀状は、ある程度の日数がかかることを考慮し、余裕をもって発送しましょう。

年賀状で使える英語の文例

海外に送る年賀状では、新しい年を迎えた喜びや相手を思う気持ちも英語で表現したいものです。

年賀状で使える英語の基本フレーズや新年の成功を願うフレーズ、健康や幸福を願うフレーズを集めたので、ぜひ参考にしてください。

基本フレーズ

「あけましておめでとうございます」のような、年賀状に使える英語の基本フレーズを紹介します。どの文例もシンプルな表現のため、他のフレーズと組み合わせて使うのもおすすめです。

  • Happy New Year 2024. (2024年、あけましておめでとう)
  • With best New Year’s wishes.(あけましておめでとうございます)
  • Let me express the greetings of the season.(新年のご挨拶を申し上げます)

新年の成功を願うフレーズ

年賀状に添える一言として「益々のご活躍をお祈り申し上げます」「充実した一年になりますように」などがあります。相手の新年の成長や成功を願う気持ちを込めた英語フレーズを紹介します。

  • I hope you have a happy New Year.(あなたの新年がすばらしいものになることを願っています)
  • All the best wishes for the New Year.(新年もすべてのことがうまくいきますように)

健康や幸福を願うフレーズ

「笑顔のあふれる年となりますように」といった、健康を気遣うや幸福を願う言葉があると、受け取る側もあたたかい気持ちになるでしょう。

  • I wish you a year filled with peace, good health, and happiness.(新しい年が平和と健康と幸福で満たされますように)
  • May the year of 2024 bring you a lot of happiness and smiles.(2024年があなたにたくさんの幸せと笑顔をもたらしてくれますように)

海外から日本へ年賀状を送る場合

海外に住んでいても、お正月には家族や友人に年賀状を送りたいと考える方は多いでしょう。では、海外から日本へ年賀状を送る場合はどうすればよいのでしょうか。

ここでは、海外から日本へ年賀状を送る方法について解説します。

宛先は日本語でOK

海外から日本へ送る年賀状は、日本の郵便局員が仕分けをして配達をするため、宛名は日本語で書いても問題ありません。

ただし、発送時に日本宛の国際郵便物であることがわかるよう、宛名面の空いている箇所に、赤いペンで「AIR MAIL,To JAPAN」と記載します。

住所不明や料金不足で配達ができなかった場合、差出人の住所に返送されます。そのため、差出人の情報は英語など現地で通用する言語で書くようにしましょう。

赤いペンで「年賀」と記載する

国際郵便の場合、日本国内の年賀状のような特殊な扱いはされません。しかし、日本の郵便局員が仕分ける際に、年賀状だということが伝わるよう、赤いペンで「年賀」の文字を記載しておくとよいでしょう。

とはいえ、海外から発送したはがきは通常郵便物として扱われます。年賀状が12月末に日本に到着した場合、そのまま年内に配達されてしまう可能性も十分にあります。

「年賀」の文字を記載した場合も、元旦に相手に届くとは限らないことを理解しておきましょう。

年賀状の投函代行がおすすめ

海外から日本に送る年賀状を必ず元旦に届けたい場合は、年賀状印刷会社のサービス「投函代行」の利用を検討しましょう。

投函代行とは、印刷会社に年賀状を注文するだけで、宛名書きもポスト投函もすべてお任せできるサービスです。

海外から発送した年賀状は、「いつ届くのだろう」「ちゃんと届いたのだろうか」など不安が残ります。投函代行は本人に代わって、直接ポストへ投函してくれるので、発送の手間が省けるだけでなく、相手に年賀状が確実に届く安心感もあります。

しまうまプリントでは、宛名印刷ありで注文いただいた年賀状は、宛名印刷は無料、投函代行も無料です。海外から日本へ年賀状を送りたい方にもぴったりなサービスです。

まとめ

日本の伝統文化である年賀状は、日本国内だけでなく海外に送ることが可能です。難しい手続きは必要なく、はがきのサイズや料金を守り、宛名を正しく書くだけで、海外にも年賀状を届けることができます。

異なる文化をもつ海外の友人に年賀状を送ることは、日本の文化を知ってもらうきっかけにもなり、さらに交流を深めることもできるでしょう。

海外で離れて暮らす大切な相手を思い、新年の挨拶をするとともに近況報告を含めた年賀状を送ってみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

しまうまプリント年賀状担当スタッフ

2010年に年賀状印刷サービスを開始以来、数多くのお客様に愛され、しまうまプリントの会員登録数は500万人を突破!年賀状に関するあらゆる情報をわかりやすくお届けします。

よくあるご質問

海外へ年賀状は送れますか?

もちろん送ることができます。国際郵便となるため、はがきは横向き・送り先の言語で書くなどの決まりはありますが、基本的には通常の郵便と同じようにポストへの投函でOKです。

こちらの記事内では、さらに詳しく書き方や送り方についてご紹介しています。

海外から日本に年賀状は送れますか?

こちらももちろん送ることができます。日本の郵便局員が仕分けをするため、宛先は日本語で、かつ赤いペンで「年賀」と記すと良いでしょう。

とはいえ、国際郵便は通常の郵便物として扱われます。もし早く日本に到着した場合には、年内に配達されてしまう可能性もあります。きちんと元旦に届けるために、しまうまプリントなどの年賀状印刷サービスを利用するのがおすすめです。

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